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パートで働く主婦の税金と社会保険

-103万円の壁と 130万円の壁~

年末が近づくと、パートで働く主婦にとって、夫の扶養の範囲内に収まるのかどうか、いわゆる 「103万円」や「130万円」のラインが気になるところです。
本欄では説明をわかりやすくするため、クリシェではありますがパートで働く妻とサラリーマンの夫を例に解説します。

1 パートの年収が 103万円を超えると所得税がかかる
パートで働く妻の年収(給与収入のみでほかに収入がない場合)が 103万円以下であれば、妻本人に所得税が課税されないうえ、夫は所得税の配偶者控除(注 1 ) を受けることができます。
そのため、年収が 103万円を超えないように妻が、働く時間を調整することからこのラインを「 103万円の壁」と呼んでいます。
妻の年収が103万円を超えると、夫は配偶者控除を受けられなくなりますが、夫の収入が一定額以下(注 2 ) で、かつ妻の年収が 141万円未満であれば、配偶者特別控除を受けることができます。
配偶者特別控除は、妻の年収に応じて夫の所得から 38万円~3万円を控除することで、税負担を緩和(世帯の手取収入が一気に滅らないように)するものです (図表 1・ 2 )。

妻の収入100万円125万円140万円
妻の所得税0円1万10,00円1万8.500円
夫の所得税17万2,500円19万5,500円20万7,500円
世帯の税金17万2,500円20万5,500円22万6,000円
本人(婁)のパート収入配偶者控除配偶者特別控除
103万円以下38万円
103万円超 105万円未満38万円
105万円以上 110万円未満36
110万円以上 115万円未満31
115万円以上 120万円釆満26
120万円以上 125万円未満21
125万円以上 130万円未満16
130万円以上 135万円未満11
135万円以上 140万円未満6
140万円以上 141万円未満3
141万円以上

(注 1 )所得税において、収入が 103万円以下の妻がいる場合、夫の所得から38万円が控除されます。
(注 2) 収入が給与収入のみであれば、概ね年収1,230万円以下が目安です。

2 パートの年収が 130万円以上になると扶養から外れる
サラリーマンの妻は、夫の社会保険の扶養等になることで、社会保険料 (健康保険料、国民年金保険料)が免除されています。しかし、パートである妻の年収が 130万円以上になると(注 3)、夫が加入する社会保険(健康保険・年金)の扶養家族(被扶養者)の範囲等から外れてしまい、妻本人が社会保険料を支払う必要があります。そのため、このラインのことを「130万円の盤」と呼んでいます。また、前述のように、所得税においては 103万円を超えたときには、段階的に負担が生じるしくみになっていますが、社会保険料については、 130万円以上になると一気に負担が発生するため、働く主婦にとって大きな壁といえます (注4 )。

(注 3) ここでいう年収には交通費も含まれます。また、 60歳以上又は障がい者の場合は 180万円以上になります。
(注 4) 例えば、埼玉県の場合、パート収入が 141.6万円(11.8万円×12)であれば、年間の社会保険料は、概算で健康保険料7万380円(40歳以上の場合は8万2,548円)、厚生年金保険料は 12万3,720円になります。

3 パートの収入と所得税、住民税、配偶者控除等、社会保険の扶養の関係
収入と所得税、配偶者控除、社会保険料の負担の関係を一覧表にまとめると図表3のようになります。

パート収入パートで働く主婦の税金夫の配偶者控除の適用パート本人(妻)の社会保険料負担(注6)
所得税住民税配偶者控除配偶者特別控除
所得割均等割
100万円以下非課税非課税課税or非課税有り無し
100万円超 103万円以下非課税課税課税有り無し
103万円超 130万円未満課税課税課税無し有り無し
130万円以上 141万円未満課税課税課税無し有り有り
141万円以上課税課税課税無し無し有り

(注5)103万円以下でも住民税が課税される
年収が103万円以下であっても、100万円を超えると住民税がかかります。住民税には、所得金額に対して課税される「所得割」と、所得金額にかかわらず、均等額を負担する「均等割」があります。一般に、年収100万円以下で、ほかに収入がなげれば住民税は非課税ですが、自治体によっては、年収93万円や96万5千円を超えると住民税のうち均等割が課税されるところもあります。
所得割:標準税率10%(都道府県民税4%、市町村民税6%)
均等割:年額5.000円(都道府県民税1,500円、市町村民税3,500円)。一部自治体は税額が異なる。
(注 6)所定労働時間によっては、収入に関係なく、社会保険に加入しなければなりません。
税理士法人アスタクス事務所通信2014年 11月号より

パートで働く主婦の税金と社会保険-103万円の壁と130万円の壁
いわゆる「103万円の壁」は、パートで働く従業員にとって気になるところであり、また、今年は政府が「配偶者控除の見直し」の議論を始めたことで、「103万円の壁」という言葉が何度も新聞紙上を賑わせた年でもありました。ここでは、所得と収入についての混同を避けるため、収入を給与収入のみに限定したうえで、収入という表現で説明しています。
1. 配偶者控除と103万円の壁
配偶者に所得があっても、配偶者の年間の合計所得金額が38万円以下であれば配偶者控除が受けられます。
(1)配偶者の所得が給与所得だけの場合
その年の給与収入が103万円以下であれば、給与所得控除額65万円を差し引くと、合計所得金額が 38万円以下となり、配偶者控除が受けられます。
(2)配偶者に給与所得以外の所得がある場合
給与所得以外に、不動産所得、一時所得、譲渡所得などがある場合でも年間の合計所得金額が38万円以下であれば、配偶者控除が受けられます。
{例}給与収入80万円、不動産所得 10万円の場合
給与収入 (80万円)ー給与所得控除 (65万円)=給与所得(15万円)
給与所得 (15万円)+不動産所得 (10万円)=合計所得金額 (25万円)
この場合、合計所得金額は38万円以下ですから、配偶者控除が受けられます。

(注)次のものは配偶者控除が受けられるかどうかを判定するときの合計所得金額から除かれます。
①上場株式等の配当や少額配当などで確定申告をしないことを選択したもの
②特定口座の源泉徴収選択口座内の株式等の譲渡による所得で、確定申告をしないことを選択したもの
③源泉分離諌税とされる預貯金や公社債の利子など
③源泉分離課税とされる抵当証券などの金融類似商品の収益
⑤源泉分離課税とされる一定の割引債の償還差益
⑥源泉分離課税とされる一時払養老保険の差益(保険期間等が 5年以下のもの及び保険期間等が5年超で 5年以内に解約されたもの)

2. 社会保険の被扶養者の範囲と 130万円の壁
(1)被扶養者の範囲
①被保険者と同居している必要がない者(配偶者、子・孫および弟妹、父母・祖父母などの直系噂属)
②被保険者.と同居していることが必要な者
・上記①以外の 3親等内の親族(兄姉、伯叔父母、甥姪とその配偶者など)
・内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)
(2)被扶養者の認定
被扶養者に該当する条件は、被保険者により主として生計を維持されていること、及び次のいずれにも該当した場合です。
①収入要件年間収入130万円未満 (60歳以上又は障がい者の場合は、年間収入180万円未満)かつ、
・同居の場合…収入か被養者(被保険者)の収入の半分未満(注)
・別居の場合…収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満
※年間収入とは、過去における収入のことではなく、被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます(給与所得等の収入がある場合、月額108.333円以下。雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下であること)。また、被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます。
(注)収入が扶養者(被保険者)の収入の半分以上の場合であっても、扶養者(被保険者)の年間収入を上回らないときで、日本年金機構がその世帯の生計の状況を総合的に勘案して、扶養者(被保険者)がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認めるときは被扶養者となることがあります。
②同一世帯の条件配偶者、直系尊属、子、孫、弟妹以外の 3親等内の親族は同一世帯でなければなりません。
[参考]国税庁「タックスアンサー No.1190配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか」日本年金機構 WEBサイト「 健牒保険(協会けんぽ)の扶養にするときの手続き」他

「ローマ字氏名届」の提出

平成26年10⽉より、外国籍の⽅の厚⽣年⾦保険被保険者資格取得届等を提出
する際には、「ローマ字氏名届」の提出も合わせて必要になりました。外国籍
の⽅の年⾦記録を適正に管理していくため、忘れずに提出をお願いします。
【これまでの手続き】
厚⽣年⾦保険被保険者資格取得届等

アルファベット氏名(変更)届(外国籍の⽅について任意提出)
【平成26年10月からの手続き】
厚⽣年⾦保険被保険者資格取得届等(※)

ローマ字氏名届(外国籍の方について原則全員提出)

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※他に厚⽣年⾦保険被保険者氏名変更届、国⺠年⾦第3号被保険者関係届が対象となります。
1.届出には、在留カード、住⺠票の写し等に記載のある氏名を記⼊してください。
2.届出後も、機構から送付する通知書や健康保険被保険者証はカナ氏名で表示されます。
3.既に被保険者である外国籍の⽅についても、ローマ字氏名届の提出にご協⼒をお願いします

「ローマ字氏名届」の提出をお願いします

資格取得時の本⼈確認事務の変更

平成26年10⽉より、マイナンバー(個⼈番号)の導⼊に向けた取り組みとして、⽇本年⾦機構では、新規に基礎年⾦番号を付番する際に、住⺠票コードを収録します。
このため、基礎年⾦番号を事業主の⽅において確認できない場合については、資格取得届に住⺠票上の住所のご記⼊が必要となります。

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●日本に住所を有する20歳以上の⽅であれば、原則として基礎年⾦番号をお持ちです。
●20歳未満、外国⼈の⽅で、基礎年⾦番号をお持ちになったことがない⽅は、必ず本⼈確認をしたうえで、資格取得届のみをご提出ください。
(基礎年⾦番号をお持ちの⽅は基礎年⾦番号をご記⼊ください)
●基礎年⾦番号をお持ちになったことがない⽅は「年⾦⼿帳再交付申請書」の提出は不要です。
●基礎年⾦番号を事業主の⽅において確認できない場合は、本⼈確認のうえご記⼊いただく住⺠票上の住所をもとに⽇本年⾦機構で住⺠基本台帳ネットワークシステムへ本⼈照会をし、確認をします。今後とも事業主の方には運転免許証等で本人確認をしていただく必要がありますが、備考欄への確認結果の記⼊は省略します。
●⽇本年⾦機構にて本⼈確認ができなかった場合、資格取得届等を⼀旦お返しすることとなります。
●本人確認ができない場合には、健康保険被保険者証の交付ができません。

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職場のストレスチェック

「全国労働衛生週間」は、労働者の健康管理や職場環境の改善など、労働衛生に関する国民の意識を高め、職場での自主的な活動を促して労働者の健康を確保することを目的に毎年実施されています。
10月1日〜7日を本週間、9月1日〜30日を準備期間として、それぞれの職場での安全衛生についての見回りやスローガン掲示、労働衛生に関する講習会・見学会の開催など、さまざまな取組が展開されます。
<スローガン>

「みんなで進める職場の改善心とからだの健康管理」

平成26年度のスローガンは、近年、過重労働による健康障害やメンタルヘルス不調などの健康問題が重要な課題となっていること、また労働者の健康確保の観点から健康診断の実施の徹底、健診結果に基づく事後措置などの適切な実施が重要となっていることから、労働者自身や管理監督者、産業保健スタッフが一丸となって健康管理を進め、労働者の健康が確保された職場の実現を目指すことを表しています。513点の応募作品の中から決定されたようです。
全国労働衛生週間(10月1日〜7日)に実施する事項
ア事業者または総括安全衛生管理者による職場巡視
イ労働衛生旗の掲揚及びスローガン等の掲示
ウ労働衛生に関する優良職場、功績者等の表彰
エ有害物の漏えい事故、酸素欠乏症等による事故等緊急時の災害を想定した実地訓練等の実施
オ労働衛生に関する講習会・見学会等の開催、作文・写真・標語等の掲示、その他労働衛生の意識高揚のための行事等の実施

厚労省パンフレットより

改正労働安全衛生法では

①化学物質管理の在り方の見直し(リスクアセスメントの義務付け等)
②ストレスチェック制度の創設(ストレスチェック及び面接指導の義務付け等)
③受動喫煙防止のための事業者及び事業場の実情に応じた適切な措置の努力義務化
④重大な労働災害を繰り返す企業に対し大臣が計画作成指示、勧告、公表を行う制度の創設
⑤外国に立地する機関も検査・検定機関として登録ができるような仕組みを整備
⑥規模の大きい工場等で建設物、機械等の設置等を行う場合の事前届出を廃止
⑦電動ファン付き呼吸用保護具を譲渡制限・型式検定の対象に追加

の内容が盛り込まれ、ストレスチェックに関しては平成27年12月までに施行される予定となっています。

ストレスチェックに関する厚労省の問答集より

(ストレスチェック)
Q3 全ての事業場が対象となるのでしょうか?
A3 ストレスチェックの実施が義務とされるのは、従業員数50人以上の事業場とされており、これは、産業医の選任義務が課されている事業場と同じ対象範囲です。なお、従業員数50人未満の事業場については、当分の間、ストレスチェックの実施が努力義務とされています。
Q4 従業員数50人未満の事業場について努力義務とされているのはなぜですか?
A4 従業員数50人未満の事業場では、産業医の選任義務が課されていないなど体制が整っておらず、かつ、事業場の規模が小さいため、ストレスチェックの結果等の取扱いに当たって、労働者のプライバシーに十分配慮した情報管理等を行うことについて懸念があるため、義務ではなく、努力義務としています。ただし、従業員数50人未満の事業場であっても、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することは重要です。

以下のサイトで厚労省提供による「5分でできる職場のストレスチェック」が提供されています。

http://kokoro.mhlw.go.jp/check/

残業代をめぐる 2つの動向

税理士法人アスタクス事務所通信より抜粋

安倍内閣は、時間の長さではなく仕事の成果で評価する、「残業代ゼロ」の対象を広げる「新たな労働時間制度」の創設を閣議決定しました。残業の中味を問うこうした動きの一方で、あらかじめ一定額を決めておく固定残業代の運用を厳格化する判決が出されており、こちらにも注目する必要があります。

1.「残業代ゼ口」制度の拡大を検討
労働基準法では、1日の労働時間を原則として8時間と定め、残業や休日の労働には、割増の賃金を支払うことを義務づけています。しかし、この適用外として、労働時間にかかわらず、「残業代ゼロ」の定額の賃金が、経営者と一体の立場にある「管理監督者」(たとえば部長職にある者)などに認められています。(*1)「新たな労働時間制度」は、この「残業代ゼロ」が適用できる社員の対象を広げる内容となっています。具体的には、一定の年収要件(例えば1.000万円以上)を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を持つ者を対象に労働時間と賃金のリンクを切り離すことを検討するとしています。
(*1)労働基準法第41条第2号では、「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)又は機密の事務を取り扱う者」は、労働基準法で定める労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しないとしています。
例えば、1週40時間、1日8時間の法定労働時間の規定や1週1日の休日付与の規定も適用がないため、時間外労働、休日労働に対して、労働基準法第37条で定める割増賃金を支払う義務はありません。

2.固定残業代をめぐる最近の判決
(1)固定残業代とは?
固定残業代は、実際の残業時間の有無や時間数にかかわらず、一定時間数の残業代を毎月定額で支給する方法で、残業代を計算する手間が省けるうえ、人件費の総額が把握しやすいというメリットがあります。
ただし、この制度の導入にあたっては、固定残業代の取扱いについての規定を就業規則や雇用契約書などに明示しなければなりません。その場合、「営業手当」「特殊手当」など、残業代とわかりにくい名称ではなく、残業代とわかるように明示する必要があります。
具体的には、固定残業代に該当する賃金項目(例:残業手当、みなし残業手当)、それが残業代に相当する旨、その金額とそこに含まれる残業時間をきちんと記載しなければなりません(例:固定残業手当2万5千円〈残業20時間分〉)。
(2)最近の裁判の傾向
固定残業代を巡る最近の裁判では、実際の残業時間に基づいて計算した賃金が、固定残業代を上回る場合には、その不足分を追加支給する必要があるとしたうえで、追加支給されていない場合には、固定残業代そのものの有効性が否定される可能性があります。就業規則等の整備とともに、その運用状況を踏まえた総合的な判断が行われているようです。

○安倍内閣が推進する「新たな労働時間制度」の考え方
「日本再興戦略」改訂2014(平成26年6月24日)では、「時間ではなく成果で評価される働き方への改革」の中において、「時間ではなく成果で評価される働き方を希望する働き手のニーズに応えるため、一定の年収要件(例えば少なくとも年収1000万円以上)を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者を対象として、健康確保や仕事と生活の調和を図りつつ、労働時間の長さと賃金のリンクを切り離した『新たな労働時間制度』を創設することとし、労働政策審議会で検討し、結論を得た上で、次期通常国会を目途に所要の法的措置を講ずる」としています。
○「営業手当」という名目で支給していれば、固定残業代として主張することは、可能か?
「うちは、営業マンに、営業手当として、残業代込みで、払っているから」残業代の支払を免れるとする経営者もおられますが、最近の裁判例も踏まえて判断すると、書類の整備とその運用がしっかりしていなければ、無効になる可能性が高いといわざるを得ません。営業手当は、その名称から推測されるのは、営業の成果に対するインセンテイブとして期待される手当という意味合いが強く、固定残業代と主張するのは難しいでしょう。
○給与明細の整備と実際の運用についての考え方
裁判官によっても判決にばらつきはありますが、最高裁での補足意見では、「……支給時に支給対象の時間外労働の時間数と残業手当の額が労働者に明示されていなければならないであろう……」とされているため、給与明細等に、項目・金額・時間数の記載をしておかなければ固定残業代を時間外手当に代わる手当であるとすることは難しいでしょう。
[参考]アクティリンク事件(東京地裁判決/平成24年6月29日)、イーライフ事件(東京地裁判決/平成25年2月28日)

埼玉県最低賃金

埼玉県の最低賃金が公示されました。

発効日が平成26年10月1日
金額は1時間あたり802円とはじめて800円を超えました(前年785円)。
これは月給換算すると、週40時間労働で

802円×173.75時間=139,348円となります。

後述のように、最低賃金には皆勤手当、家族手当、通勤手当などは含まれませんから総額で14万円支給していても、基本給が13.9千円を超えていないと最低賃金に達していない可能性があります。

また、東京都の最低賃金は888(前年869)円です。同様に月額換算すると154,290円となります。飯能市は青梅市と隣接していることもありこれまでも介護施設などで人材獲得の競合が生じていましたが、基本給15万円を超えていないと求人も難しくなるかもしれません。

●最低賃金制度とは
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。
●最低賃金の種類
最低賃金には、地域別最低賃金及び特定最低賃金の2種類があります。
なお、地域別最低賃金及び特定最低賃金の両方が同時に適用される場合には、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
※最低賃金はその会社の本社のある都道府県で決められるのではなく、本社や支店の事業場がある都道府県ごとに決められることに注意が必要です。
●最低賃金の適用される労働者の範囲
地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用されます。特定最低賃金は、特定地域内の特定の産業の基幹的労働者とその使用者に対して適用されます。
●派遣労働者への適用
派遣労働者には、派遣先の最低賃金が適用されます。
●最低賃金の対象となる賃金
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。実際に支払われる賃金から一部の賃金(割増賃金、精皆勤手当、通勤手当、家族手当など)を除いたものが対象となります。
●最低賃金額以上かどうかを確認する方法
最低賃金額以上となっているかどうかは、賃金額を時間当たりの金額に換算し、最低賃金(時間額)と比較します。
●その他
最低賃金は「時間額」のみであるため、時間給、日給、月給制等全ての給与形態に「時間額」が適用されます。
最低賃金はパートタイマーやアルバイト等にも適用されます。

雇用促進税制

雇用促進税制とは、平成26年4月1日から平成28年3月31日までの期間内に開始する各事業年度(個人事業主の場合は、平成27年1月1日から平成28年12月31日までの各年。以下「適用年度」といいます。)において、雇用者増加数5人以上(中小企業は2人以上)、かつ、雇用増加割合10%以上等の要件を満たす企業は、適用年度における法人税の額(個人事業主の場合は、所得税の額)から雇用者増加数1人当たり40万円の控除が受けられる制度です。ただし、控除できる税額は、その適用年度における法人税の額(個人事業主の場合は、所得税の額)の10%(中小企業の場合は、20%)が限度となります。
この制度は以前からありましたが、上記のように税額控除の額を雇用増加数1人当たり20万円から40万円に増額されています。

また、平成25年度の税制改正により、所得拡大促進税制も導入されています。これは給与等支給額を増加させた企業に、一定の税額控除を認める制度です。この2つの税制は、いずれかの選択適用となっています。

所得拡大促進税制は、平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度において、給与等支給額を増加させた場合、その支給増加額について、10%の税額控除を認める制度です。具体的には、青色申告を行なう法人が、国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、3つの要件を満たすときは、その給与等支給増加額の10%の税額控除ができる、というものです。ただし、控除税額は、当期の法人税額の10%(中小企業者等については20%)が限度とされます。

(改正)・平成27年4月1日より前に開始する事業年度については2%
・同日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度については3%
・平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度については5%以上
と段階的に変更されました。
(改正)・現行制度では、日々雇い入れられる者のみを除いて計算していたところを、「継続雇用者に対する給与等の支給額」と、それに係る支給者数に限定して比較することに改正されました。

前述したとおり、所得拡大促進税制と雇用促進税制は選択適用となっており、いずれか1つしか適用することができません。いずれを適用するか不明な場合は、まずは雇用促進税制の雇用促進計画の提出を行います。雇用促進税制を適用するには、雇用促進計画を事業年度開始後2か月以内にハローワークに提出します。その上で、申告の際にどちらの制度が有利かを判断します。雇用促進計画の提出を行い、事業年度終了後に労働局に確認を申出したとしても、申告の際に所得拡大促進税制を選択することは可能です。
なお、雇用促進税制の適用を受けるためには、適用年度とその適用年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度に、「事業主都合による離職者」がいないことが要件の一つとされていますが、所得拡大促進税制にはこの要件はありません。

全体像  1389833246-1
要件  1389833246-2

埋葬料

加入者が亡くなったときは、埋葬を行う人に埋葬料または埋葬費が支給されます。

被保険者が業務外の事由により亡くなった場合、亡くなった被保険者により生計を維持されて、埋葬を行う方に「埋葬料」として5万円が支給されます。
埋葬料を受けられる方がいない場合は、実際に埋葬を行った方に、埋葬料(5万円)の範囲内で実際に埋葬に要した費用が「埋葬費」として支給されます。
また、被扶養者が亡くなったときは、被保険者に「家族埋葬料」として5万円が支給されます。

1.埋葬料
被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として、被保険者の標準報酬月額に相当する金額(その金額が政令で定める金額に満たないときは、当該政令で定める金額)を支給する。(法第100条第1項)

2.埋葬に要した費用
上記1の規定により埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者に対し、同項の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。(法第100条第2項)

□自殺の場合は給付制限に該当するか?
自殺は故意に基づく事故ではあるが、死亡とは絶対的な事故であるとともにこの死亡に対する保険給付としての埋葬料は、被保険者であった者に生計を依存していた者に対して支給されるという性質のものであるから法第116条後段に該当しないものとして取り扱う。(昭和26年3月19日保文発第721号)

健康保険の死亡の給付では、業務上および通勤途上以外のものであれば、その死因は問われません。

□行方不明になった場合
被保険者が工場の旅行中船から転落行方不明となり、死体が発見されない場合には、死亡の事実は確実だが死体が発見されない場合と同様に、同行者の証明書等により死亡したものと認め、埋火葬許可証の写の添付なしに、埋葬料又は埋葬費(法第100条第2項)を支給して差し支えない。(昭和4年5月22日保理第1705号)

□その者により生計を維持していた者とは?
1.死亡当時その収入により生計を維持した者をいい、死亡者の収入により生計を維持した事実があれば足りる。民法上の親族又は遺族であることを要せず、かつ、被保険者が世帯主であることも、また被保険者により生計を維持する者が被保険者と同一世帯にあったか否かは関係のないことである。(昭和7年4月25日保規第129号)
2.被保険者により生計の全部若しくは大部分を維持した者のみに限らず、生計の一部分を維持した者をも含む。(昭和8年8月7日保発第502号)

被扶養者認定に要求されている生計維持関係とは異なります。
死亡者の収入により生計を維持していた事実関係があればよく、他人でも扶養を受けていれば受給権があり、親族でも生計依存関係がなければ受給できません。

□埋葬とは?
死体の一部又は遺物を埋葬又は火葬した場合でも支給する。(昭和2年6月疑義事項解釈)

□埋葬を行なう者とは?
1.埋葬の事実如何に関せず、埋葬を行なうべきものをいう。現実に埋葬を行なう又は行なった者ではない。(昭和2年7月14日保理第2788号)

2.埋葬許可証は埋葬を行なうべき者を証明するものではなく、埋火葬をなしてさしつかえない旨の証書である。この証書を受ける者と埋葬を行なう者又は埋葬を行ないたる者とは多くの場合一致するが、異なる場合もあり、従って、調査の上埋葬を行なうべき者又は埋葬を行ないたる者に支給することが必要である。(昭和3年4月20日保理第804号)

□埋葬を行なった者とは?
その被保険者に、全然生計を維持していなかった父母又は兄弟姉妹或は子等が現に埋葬を行なった場合には当然含まれる。(昭和26年6月28日保文発第2162号)
埋葬費(法第100条第2項)は、「埋葬を行なった者に対して」とあるので、実際に埋葬を行なった後でなければ申請することができない。

□埋葬に要した費用に相当する金額に含まれるもの
1.埋葬に直接要した実費額とする。これは、霊柩代又は借料、霊柩運搬人夫賃、葬式の際における死者霊前供物代、僧侶の謝礼等の如きものを指す。(昭和2年2月28日保理第765号)
2.入院患者が死亡し自宅まで移送する費用は含まない。(昭和2年4月18日発第925号

□退職後の給付(被保険者期間が継続して1年以上なくてもよい)
退職後、3か月以内、傷病手当金・出産手当金を受けている間、または受けなくなって3か月以内に死亡したときうけられる。

複数の事業所に雇用されるようになったとき

1.手続内容
(1)被保険者が同時に複数(2か所以上)の適用事業所に使用されることにより、管轄する年金事務所または保険者が複数となる場合は、被保険者が届出を行い、年金事務所または保険者のいずれかを選択します。

(2)届出の結果、選択した事業所を管轄する年金事務所(または健康保険組合)が当該被保険者に関する事務を行うこととなります。なお、健康保険組合を選択した場合であっても厚生年金保険の事務は年金事務所が行います。
※ この届書の提出に当っては、適用事業所の被保険者となるための「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」の提出が前提となります。新たに被保険者となる場合は、事業所から資格取得届が提出されていることを確認してください。

以上、日本年金機構のサイトより

原則はその通りとしても、社会保険に加入すべき要件として一般社員の4分の3以上の勤務というのがありますから、週にして勤務時間30時間を複数の事業所で満たすのは物理的に不可能ということで、一般の社員には適用されることはほとんどないといってよいでしょう。

しかし、役員の場合には双方で代表取締役であるということも考えられますので注意しなければなりません。

役員の被保険者資格について、昭和24年7月28日保発第74号通知では、

まず、『役員(中略)であっても、法人から労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者の資格を取得させる』としています。

さらに、労務の対象として報酬を受けている役員かどうかの判断については、
『その業務が実態において法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であり、かつ、その報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払いを受けるものであるかを基準として判断されたい。』とし、その判断基準に以下の6つを挙げています。

① 当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか
② 当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか
③ 当該法人の役員会等に出席しているかどうか
④ 当該法人の役員への連絡調整又は職員に対する指揮監督に従事しているかどうか
⑤ 当該法人において求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか
⑥ 当該法人等より支払いを受ける報酬が社会通念上労務の内容に相応したものであって実費弁償程度の水準にとどまっていないかどうか

社会保険総合調査など、年金事務所では、法人代表者及び役員の資格取得については、以下の点を確認されます。

法人の役員の報酬の有無を確認する
報酬がある場合、その報酬は労務の対象としての経常的な報酬かどうかを確認する
労務の対象である場合、報酬金額の確認を行い、実費弁償程度の金額かどうかの確認をする
実費弁償程度の金額を超えている場合には、経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供か、経常的な支払をうけるものであるかを確認する

また、確認にあたっては、一律的な判断は難しく、上記の判断の基準①〜⑥を参考に、それぞれの事案ごとに実態に基づき総合的に判断されるようです。

二以上の事業所から報酬を受けている場合の標準報酬月額は、それぞれの事業所ごとに別々に決定されるのではなく、被保険者が各事業所から受ける報酬の月額を合算した額をもとに、1つの標準報酬月額が決定されます。
この標準報酬月額をもとに保険料が算定されるのですが、その保険料は、各事業所での報酬の月額に比例して按分されます。標準賞与額も同様の方法により算定されます。
各事業所の事業主は、その按分した保険料の納付義務を負うことになります。

休職中の有給休暇

在籍している限り継続勤務

「継続勤務とは出動ではなく在籍を要件としているので、労働組合の専従期間や育児休業期間も継続として取り扱わなければならない。」

「継続勤務」とは、一見、「連続した出動」を意味するものと解されがちですが、労働基準法第39条のいう継続勤務とは、労働契約の存続期間、すなわち事業場における在職期間を意味するものです。
休職中の継続勤務について解釈例規は、「休職とされていた者が復職した場合」は継続勤務に含まれることを明確にしています(昭63・3・14基発第150号)ので、私傷病、育児休業期間中なども(休職期間中の)継続勤務として取り扱うことになります。
例えば、入社直後に私傷病休業に該当したような場合、もちろん休職期間中は出動が免除されているわけですが、年休の計算にあってはこの休職期間を通算して8割出動をみます。入社直後に3か月以上欠勤した場合、雇い入れから6か月経過したときの出動率は8割に届きませんから、最初の付与時における付与日数は0ということになります。
ここで、注意しなければならないのは継続勤務の場合、付与日数も通算されるという点です。先ほどのケースで雇い入れ後6か月経過時点では年休は付与されませんが、6か月経過から1年6か月までの1年間に8割出動を満たしたとすると、1年6か月経過時点では付与日数は10日ではなく、11日となるわけです。つまり、8割出動にかかわらず(有給の付与にかかわらず)、2回目以降の付与は継続勤務1年につき1日の日数を加算した日数を付与しなければなりません。
ところで、継続勤務であるか否かについてよく問題となるケースに、定年退駿者を嘱託として再雇用した場合や臨時工を本工にした場合、また短期契約労働者の契約を更新して6か月以上使用した場合などがあります。これらは、いずれも形式的には従前の労働契約とその後の労働契約とは全然別個のものですから、継続勤務とみることはできないとも考えられますが、定年退職者の嘱託としての再雇用や臨時工の本採用などは、単なる企業内における身分の切り換えであって実質的には労働関係が継続していると認められるものですし、日雇いや短期契約者の契約更新も、実際に6か月間以上使用されている場合は、もはや契約更新は単なる形式的な意味にとどまり、実質的には労働関係が継続しているものと認められている場合が多いようです。解釈例規も、いずれの場合も継続勤務に含む(昭63・3・14基発第150号)としています。
また、「会社が解散し、従業員の待遇等を含め権利義務関係が新会社に包括承継された場合」や「全員を解雇し、所定の退職金を支給し、その後改めて一部を再採用したが、事業の実体は人員を縮小しただけで、従前とほとんど変わらず事業を継続している場合」についても、同様に継続勤務に含まれる(同前通達)とされています。

出勤率の算定
※出勤日数には、休日出勤した日は除き、遅刻・早退した日は含めます。なお、出勤率の算定に当たっては、次のイ及びロの取扱に注意が必要です。

イ 全労働日から除外される日数
(1)使用者の責に帰すべき事由によって休業した日
(2)正当なストライキその他の正当な争議行為により労務が全くなされなかった日
(3)休日労働させた日
(4)法定外の休日等で就業規則等で休日とされる日等であって労働させた日
ロ 出勤したものと取り扱う日数
(1)業務上の負傷・疾病等により療養のため休業した日
(2)産前産後の女性が労働基準法第65条の規定により休業した日
(3)育児・介護休業法に基づき育児休業または介護休業した日
(4)年次有給休暇を取得した日