地下室

いよいよ、「ザ・ベースメント・デープス」の全貌が白日の下に晒される日が近づいてきました。150テイク以上が残されたというそのセッションですが、新たなテープの存在が発見されてのコンプリート・エディションが138曲なのでこれが正式記録になるのでしょうか、CD6枚組、これは聞き応えのあるブツになりそうです。
1975年に「地下室」として発売、やっと”Great White Wonder”の存在を知った程度の田舎の高校生にとっては、「突然」としかいえないリリースでしたが、当時のブルース・ブームもあって、SP盤起こしかとまがうばかりの音質もかえってオブスキュアな雰囲気を醸しだして、これがディランとザ・バンドたちが日夜ウッドストックで練り上げていた、あの「幻の」音源かぁと、恐れ入ったものでした。Tears of RageからQuinn the Eskimo、Open the Door Homer、Nothing Was Deliveredと続くCD4が山場になりそうですが、Blowin’ in the Windのブルース・ロック・バージョンが聞けるCD5も期待大です。One Too Many Morningsなんて時代は変わるみたいだし。

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ここから「地下室」には1曲も取り上げられていない「アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック」

私の持ってるブートレグはただのアセテート盤起こしみたいなもので、音圧は低いし、ノイズリダクションかけ過ぎてベールの向こうで鳴ってるような代物なので、ディランに怒られながらも実際にテープを回していたガースが今回のリイシューの監修を担当、ホーム・テレコで録音されていたといっても、実はちゃんと卓を通していたというブートレグ・シリーズ第11集、かなりの音質改善が期待されます。

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時代は「サージェント」と「ゼア・サタニック・マジェスティーズ」のころ、ディランとザ・バンドがこれでルーツを掘り下げ、このあと出してきたのが「ジョン・ウェズリー・ハーディング」と「ビック・ピンク」ですから、「ベースメント・デープス」がベースメントでなく、表舞台で正式に発表されていたらその後のロック・シーンは大きく違っていたと。やっぱりロックは聞くべき時期と歳があるのですね。

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