賃金人事制度

時間外・休日労働に関する協定書

協定する事項

「時間外または休日の労働をさせる必要のある具体的事由」
業務の種類別に具体的事由を記入します。
例:「機械設備などの修繕、備え付け、メンテナンス」「臨時の受注、納期変更」「月末の決算事務」「顧客からの緊急の要請」「受注・請求・集金・営業等の繁忙」「江綿の人手不足に対処」など。
特別条項付きの労使協定を労働基準監督署に届出るときは、36協定の所定様式の該当欄にその概要を( )書きするか、所定欄に「別紙のとおり」と記載し、概要(時間、期間、回数など)を書いた別紙を添付します。
「業務の種類」
時間外労働または休日労働をさせる必要な業務を具体的に記入します。「製造業務」「総務」など漠然としたものでなく、細分化して記入します。
例:「経理事務」「人事」「営業」「機会組立」「製品管理」「外勤販売」など
事業場外労働の対象業務については、他の業務と区別して記入し、労働基準法第36条ただし書き*の健康上特に有害な業務について協定した場合には、その業務を他の業務と区別して記入します。

*労働基準法施行規則
第十八条  法第三十六条第一項 ただし書の規定による労働時間の延長が二時間を超えてはならない業務は、次のものとする。
一  多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
二  多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
三  ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
四  土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
五  異常気圧下における業務
六  削岩機、鋲打機等の使用によつて身体に著しい振動を与える業務
七  重量物の取扱い等重激なる業務
八  ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
九  鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン、その他これに準ずる有害物の粉じん、蒸気又はガスを発散する場所における業務
十  前各号のほか、厚生労働大臣の指定する業務

医療機関で36協定を締結する場合は、「三  ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務」すなわち放射線技師の業務と人数を別に記載しなければならない場合もありそうです。

 

専門業務型裁量労働制

業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務として厚生労働省令及び厚生労働大臣告示によって定められた業務の中から、対象となる業務を労使で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度です。

○専門業務型裁量労働制の対象業務は?
「専門業務型裁量労働制」は、下記の19業務に限り、事業場の過半数労働組合又は過半数代表者との労使協定を締結することにより導入することができます。

専門業務型裁量労働制の対象業務
(1)新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
(2)情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であつてプログラムの設計の基本となるものをいう。(7)において同じ。)の分析又は設計の業務
(3)新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又は放送法(昭和25年法律第132号)第2条第4号に規定する放送番組若しくは有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律(昭和26年法律第135号)第2条に規定する有線ラジオ放送若しくは有線テレビジョン放送法(昭和47年法律第114号)第2条第1項に規定する有線テレビジョン放送の放送番組(以下「放送番組」と総称する。)の制作のための取材若しくは編集の業務
(4)衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
(5)放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
(6)広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係る文章の案の考案の業務(いわゆるコピーライターの業務)
(7)事業運営において情報処理システムを活用するための問題点の把握又はそれを活用するための方法に関する考案若しくは助言の業務(いわゆるシステムコンサルタントの業務)
(8)建築物内における照明器具、家具等の配置に関する考案、表現又は助言の業務(いわゆるインテリアコーディネーターの業務)
(9)ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
(10)有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務(いわゆる証券アナリストの業務
(11)金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
(12)学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する大学における教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る。)
(13)公認会計士の業務
(14)弁護士の業務
(15)建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)の業務
(16)不動産鑑定士の業務
(17)弁理士の業務
(18)税理士の業務
(19)中小企業診断士の業務

○制度導入のための手続は?
制度の導入に当たっては、原則として次の事項を労使協定により定めた上で、様式第13号により、所轄労働基準監督署長に届け出ることが必要です。

制度の導入に当たっては、原則として次の事項を労使協定により定めます
(1)制度の対象とする業務
(2)対象となる業務遂行の手段や方法、時間配分等に関し労働者に具体的な指示をしないこと
(3)労働時間としてみなす時間
(4)対象となる労働者の労働時間の状況に応じて実施する健康・福祉を確保するための措置の具体的内容
(5)対象となる労働者からの苦情の処理のため実施する措置の具体的内容
(6)協定の有効期間(※3年以内とすることが望ましい。)
(7)(4)及び(5)に関し労働者ごとに講じた措置の記録を協定の有効期間及びその期間満了後3年間保存すること

(1)時間外労働
みなし労働時聞が法定労働時間(1日8時間・1 週間40時聞が原則)を超える場合には時間外労働になりますので、使用者は労働基準法第36条第1項の協定(時間外労働協定)を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出た上で、法定労働時間を超えた部分の時間に対しては、同法第37条第1項により2割5分増以上の割増賃金を支払わなければなりません。
(2) 休日労働
みなし労働時間制が適用になる場合でも、労働基準法第35条の休日(法定休日)の規定は適用されますので、使用者は同法第36条第1項の協定(休日労働協定)を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出た上で、対象労働者が法定休日(毎週1 回又は4週4 日の休日)に労働した場合には同法第37条第1項により、その日の労働に応じた3割5分増以上の割増賃金を支払わなければなりません。
(3) 深夜業
みなし労働時間制の対象労働者が午後10時から午前5時までの深夜に労働した場合にも、労働基準法第37条第3項が適用されますので、現実にこの時間帯に労働した時間に応じた2割5分増以上の割増賃金を支払わなければなりません。
(4) 休憩時間
使用者は労働基準法第34条の規定により、みなし労働時間が6時間を超え8時間までであれば45分以上、8時間を超える場合には1 時間以上の休憩時間を与えなければなりません。
ただし、対象労働者に所定の休憩時間を指示することは労働時間の配分についての指示となりますので、可能な限り所定の休憩時間を与え、取得できなければ別の時間帯に取得させる必要があります。

特許、発明、考案等の取扱い

会社における「発明・考案」に関心が高まり就業規則でも以下のように記述されることがあります。
(特許、発明、考案等の取扱い)
第○○条 社員が会社における自己の現在または過去における職務に関連して発明、考案をした場合で会社の要求があれば、特許法、実用新案法、意匠法等により特許、登録を受ける権利またはその他の権利は、発明者および会社が協議のうえ定めた額を会社が発明者である社員に支払うことにより、会社に譲渡または継承されるものとする。

職務発明とは、「従業者等」(会社の従業員など)が職務上行った発明のことであり、「使用者等」(会社など)は職務発明を発明者である従業員から承継することを勤務規定などによってあらかじめ定めておくことができる(特許法35条2項の反対解釈)。会社が従業員から職務発明を承継した場合、会社は相当の対価を従業者に支払わなければならない(特許法35条3項)。この規定に基づいて会社に対して200億円の支払いを命じる判決がでたこともあり(東京地裁平成16年1月30日判決「青色発光ダイオード事件」、その後高裁で和解)、社会的にも職務発明が注目されるようになった。(Wikipedia)
このように「職務発明」にかんしては就業規則に予約継承を定めることはできます(ただし、相当な対価の支払いが必要)。

では職務著作については
(著作権の帰属)
第○○条 会社の発意に基づき、社員が職務上作成し、会社名義の下に公表(プログラムを除く。*)した著作物およびプログラム著作物は、職務著作としてその権利は会社に帰属するものとする。
などとします。

【職務著作の要件】
1.法人等の発意に基づき創作された著作物であること
2.その法人等の業務に従事する者が創作した著作物であること
3.その法人等の職務上創作した著作物であること
4.その法人等の著作名義で公表された著作物であること(例えば、「この作品の著作権は、○○株式会社に帰属します」などのような表示を行うことが必要)
5.その法人等内部の契約や就業規則等に別段の規定がないこと
(著作権法上の「法人」には、法人格を有するものの他に、法人格を有しない社団又は財団で 代表者や管理人の定めのあるものを含みます。(著作権法第2条6項))

*なお、「プログラムの著作物」に関しては、4.の要件を満たさなくとも他の4つの要件を満たしていれば、職務著作となります。(著作権法第15条2項)

 

 

パートで働く主婦の税金と社会保険

-103万円の壁と 130万円の壁~

年末が近づくと、パートで働く主婦にとって、夫の扶養の範囲内に収まるのかどうか、いわゆる 「103万円」や「130万円」のラインが気になるところです。
本欄では説明をわかりやすくするため、クリシェではありますがパートで働く妻とサラリーマンの夫を例に解説します。

1 パートの年収が 103万円を超えると所得税がかかる
パートで働く妻の年収(給与収入のみでほかに収入がない場合)が 103万円以下であれば、妻本人に所得税が課税されないうえ、夫は所得税の配偶者控除(注 1 ) を受けることができます。
そのため、年収が 103万円を超えないように妻が、働く時間を調整することからこのラインを「 103万円の壁」と呼んでいます。
妻の年収が103万円を超えると、夫は配偶者控除を受けられなくなりますが、夫の収入が一定額以下(注 2 ) で、かつ妻の年収が 141万円未満であれば、配偶者特別控除を受けることができます。
配偶者特別控除は、妻の年収に応じて夫の所得から 38万円~3万円を控除することで、税負担を緩和(世帯の手取収入が一気に滅らないように)するものです (図表 1・ 2 )。

妻の収入100万円125万円140万円
妻の所得税0円1万10,00円1万8.500円
夫の所得税17万2,500円19万5,500円20万7,500円
世帯の税金17万2,500円20万5,500円22万6,000円
本人(婁)のパート収入配偶者控除配偶者特別控除
103万円以下38万円
103万円超 105万円未満38万円
105万円以上 110万円未満36
110万円以上 115万円未満31
115万円以上 120万円釆満26
120万円以上 125万円未満21
125万円以上 130万円未満16
130万円以上 135万円未満11
135万円以上 140万円未満6
140万円以上 141万円未満3
141万円以上

(注 1 )所得税において、収入が 103万円以下の妻がいる場合、夫の所得から38万円が控除されます。
(注 2) 収入が給与収入のみであれば、概ね年収1,230万円以下が目安です。

2 パートの年収が 130万円以上になると扶養から外れる
サラリーマンの妻は、夫の社会保険の扶養等になることで、社会保険料 (健康保険料、国民年金保険料)が免除されています。しかし、パートである妻の年収が 130万円以上になると(注 3)、夫が加入する社会保険(健康保険・年金)の扶養家族(被扶養者)の範囲等から外れてしまい、妻本人が社会保険料を支払う必要があります。そのため、このラインのことを「130万円の盤」と呼んでいます。また、前述のように、所得税においては 103万円を超えたときには、段階的に負担が生じるしくみになっていますが、社会保険料については、 130万円以上になると一気に負担が発生するため、働く主婦にとって大きな壁といえます (注4 )。

(注 3) ここでいう年収には交通費も含まれます。また、 60歳以上又は障がい者の場合は 180万円以上になります。
(注 4) 例えば、埼玉県の場合、パート収入が 141.6万円(11.8万円×12)であれば、年間の社会保険料は、概算で健康保険料7万380円(40歳以上の場合は8万2,548円)、厚生年金保険料は 12万3,720円になります。

3 パートの収入と所得税、住民税、配偶者控除等、社会保険の扶養の関係
収入と所得税、配偶者控除、社会保険料の負担の関係を一覧表にまとめると図表3のようになります。

パート収入パートで働く主婦の税金夫の配偶者控除の適用パート本人(妻)の社会保険料負担(注6)
所得税住民税配偶者控除配偶者特別控除
所得割均等割
100万円以下非課税非課税課税or非課税有り無し
100万円超 103万円以下非課税課税課税有り無し
103万円超 130万円未満課税課税課税無し有り無し
130万円以上 141万円未満課税課税課税無し有り有り
141万円以上課税課税課税無し無し有り

(注5)103万円以下でも住民税が課税される
年収が103万円以下であっても、100万円を超えると住民税がかかります。住民税には、所得金額に対して課税される「所得割」と、所得金額にかかわらず、均等額を負担する「均等割」があります。一般に、年収100万円以下で、ほかに収入がなげれば住民税は非課税ですが、自治体によっては、年収93万円や96万5千円を超えると住民税のうち均等割が課税されるところもあります。
所得割:標準税率10%(都道府県民税4%、市町村民税6%)
均等割:年額5.000円(都道府県民税1,500円、市町村民税3,500円)。一部自治体は税額が異なる。
(注 6)所定労働時間によっては、収入に関係なく、社会保険に加入しなければなりません。
税理士法人アスタクス事務所通信2014年 11月号より

パートで働く主婦の税金と社会保険-103万円の壁と130万円の壁
いわゆる「103万円の壁」は、パートで働く従業員にとって気になるところであり、また、今年は政府が「配偶者控除の見直し」の議論を始めたことで、「103万円の壁」という言葉が何度も新聞紙上を賑わせた年でもありました。ここでは、所得と収入についての混同を避けるため、収入を給与収入のみに限定したうえで、収入という表現で説明しています。
1. 配偶者控除と103万円の壁
配偶者に所得があっても、配偶者の年間の合計所得金額が38万円以下であれば配偶者控除が受けられます。
(1)配偶者の所得が給与所得だけの場合
その年の給与収入が103万円以下であれば、給与所得控除額65万円を差し引くと、合計所得金額が 38万円以下となり、配偶者控除が受けられます。
(2)配偶者に給与所得以外の所得がある場合
給与所得以外に、不動産所得、一時所得、譲渡所得などがある場合でも年間の合計所得金額が38万円以下であれば、配偶者控除が受けられます。
{例}給与収入80万円、不動産所得 10万円の場合
給与収入 (80万円)ー給与所得控除 (65万円)=給与所得(15万円)
給与所得 (15万円)+不動産所得 (10万円)=合計所得金額 (25万円)
この場合、合計所得金額は38万円以下ですから、配偶者控除が受けられます。

(注)次のものは配偶者控除が受けられるかどうかを判定するときの合計所得金額から除かれます。
①上場株式等の配当や少額配当などで確定申告をしないことを選択したもの
②特定口座の源泉徴収選択口座内の株式等の譲渡による所得で、確定申告をしないことを選択したもの
③源泉分離諌税とされる預貯金や公社債の利子など
③源泉分離課税とされる抵当証券などの金融類似商品の収益
⑤源泉分離課税とされる一定の割引債の償還差益
⑥源泉分離課税とされる一時払養老保険の差益(保険期間等が 5年以下のもの及び保険期間等が5年超で 5年以内に解約されたもの)

2. 社会保険の被扶養者の範囲と 130万円の壁
(1)被扶養者の範囲
①被保険者と同居している必要がない者(配偶者、子・孫および弟妹、父母・祖父母などの直系噂属)
②被保険者.と同居していることが必要な者
・上記①以外の 3親等内の親族(兄姉、伯叔父母、甥姪とその配偶者など)
・内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)
(2)被扶養者の認定
被扶養者に該当する条件は、被保険者により主として生計を維持されていること、及び次のいずれにも該当した場合です。
①収入要件年間収入130万円未満 (60歳以上又は障がい者の場合は、年間収入180万円未満)かつ、
・同居の場合…収入か被養者(被保険者)の収入の半分未満(注)
・別居の場合…収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満
※年間収入とは、過去における収入のことではなく、被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます(給与所得等の収入がある場合、月額108.333円以下。雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下であること)。また、被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます。
(注)収入が扶養者(被保険者)の収入の半分以上の場合であっても、扶養者(被保険者)の年間収入を上回らないときで、日本年金機構がその世帯の生計の状況を総合的に勘案して、扶養者(被保険者)がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認めるときは被扶養者となることがあります。
②同一世帯の条件配偶者、直系尊属、子、孫、弟妹以外の 3親等内の親族は同一世帯でなければなりません。
[参考]国税庁「タックスアンサー No.1190配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか」日本年金機構 WEBサイト「 健牒保険(協会けんぽ)の扶養にするときの手続き」他

職場のストレスチェック

「全国労働衛生週間」は、労働者の健康管理や職場環境の改善など、労働衛生に関する国民の意識を高め、職場での自主的な活動を促して労働者の健康を確保することを目的に毎年実施されています。
10月1日〜7日を本週間、9月1日〜30日を準備期間として、それぞれの職場での安全衛生についての見回りやスローガン掲示、労働衛生に関する講習会・見学会の開催など、さまざまな取組が展開されます。
<スローガン>

「みんなで進める職場の改善心とからだの健康管理」

平成26年度のスローガンは、近年、過重労働による健康障害やメンタルヘルス不調などの健康問題が重要な課題となっていること、また労働者の健康確保の観点から健康診断の実施の徹底、健診結果に基づく事後措置などの適切な実施が重要となっていることから、労働者自身や管理監督者、産業保健スタッフが一丸となって健康管理を進め、労働者の健康が確保された職場の実現を目指すことを表しています。513点の応募作品の中から決定されたようです。
全国労働衛生週間(10月1日〜7日)に実施する事項
ア事業者または総括安全衛生管理者による職場巡視
イ労働衛生旗の掲揚及びスローガン等の掲示
ウ労働衛生に関する優良職場、功績者等の表彰
エ有害物の漏えい事故、酸素欠乏症等による事故等緊急時の災害を想定した実地訓練等の実施
オ労働衛生に関する講習会・見学会等の開催、作文・写真・標語等の掲示、その他労働衛生の意識高揚のための行事等の実施

厚労省パンフレットより

改正労働安全衛生法では

①化学物質管理の在り方の見直し(リスクアセスメントの義務付け等)
②ストレスチェック制度の創設(ストレスチェック及び面接指導の義務付け等)
③受動喫煙防止のための事業者及び事業場の実情に応じた適切な措置の努力義務化
④重大な労働災害を繰り返す企業に対し大臣が計画作成指示、勧告、公表を行う制度の創設
⑤外国に立地する機関も検査・検定機関として登録ができるような仕組みを整備
⑥規模の大きい工場等で建設物、機械等の設置等を行う場合の事前届出を廃止
⑦電動ファン付き呼吸用保護具を譲渡制限・型式検定の対象に追加

の内容が盛り込まれ、ストレスチェックに関しては平成27年12月までに施行される予定となっています。

ストレスチェックに関する厚労省の問答集より

(ストレスチェック)
Q3 全ての事業場が対象となるのでしょうか?
A3 ストレスチェックの実施が義務とされるのは、従業員数50人以上の事業場とされており、これは、産業医の選任義務が課されている事業場と同じ対象範囲です。なお、従業員数50人未満の事業場については、当分の間、ストレスチェックの実施が努力義務とされています。
Q4 従業員数50人未満の事業場について努力義務とされているのはなぜですか?
A4 従業員数50人未満の事業場では、産業医の選任義務が課されていないなど体制が整っておらず、かつ、事業場の規模が小さいため、ストレスチェックの結果等の取扱いに当たって、労働者のプライバシーに十分配慮した情報管理等を行うことについて懸念があるため、義務ではなく、努力義務としています。ただし、従業員数50人未満の事業場であっても、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することは重要です。

以下のサイトで厚労省提供による「5分でできる職場のストレスチェック」が提供されています。

http://kokoro.mhlw.go.jp/check/

残業代をめぐる 2つの動向

税理士法人アスタクス事務所通信より抜粋

安倍内閣は、時間の長さではなく仕事の成果で評価する、「残業代ゼロ」の対象を広げる「新たな労働時間制度」の創設を閣議決定しました。残業の中味を問うこうした動きの一方で、あらかじめ一定額を決めておく固定残業代の運用を厳格化する判決が出されており、こちらにも注目する必要があります。

1.「残業代ゼ口」制度の拡大を検討
労働基準法では、1日の労働時間を原則として8時間と定め、残業や休日の労働には、割増の賃金を支払うことを義務づけています。しかし、この適用外として、労働時間にかかわらず、「残業代ゼロ」の定額の賃金が、経営者と一体の立場にある「管理監督者」(たとえば部長職にある者)などに認められています。(*1)「新たな労働時間制度」は、この「残業代ゼロ」が適用できる社員の対象を広げる内容となっています。具体的には、一定の年収要件(例えば1.000万円以上)を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を持つ者を対象に労働時間と賃金のリンクを切り離すことを検討するとしています。
(*1)労働基準法第41条第2号では、「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)又は機密の事務を取り扱う者」は、労働基準法で定める労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しないとしています。
例えば、1週40時間、1日8時間の法定労働時間の規定や1週1日の休日付与の規定も適用がないため、時間外労働、休日労働に対して、労働基準法第37条で定める割増賃金を支払う義務はありません。

2.固定残業代をめぐる最近の判決
(1)固定残業代とは?
固定残業代は、実際の残業時間の有無や時間数にかかわらず、一定時間数の残業代を毎月定額で支給する方法で、残業代を計算する手間が省けるうえ、人件費の総額が把握しやすいというメリットがあります。
ただし、この制度の導入にあたっては、固定残業代の取扱いについての規定を就業規則や雇用契約書などに明示しなければなりません。その場合、「営業手当」「特殊手当」など、残業代とわかりにくい名称ではなく、残業代とわかるように明示する必要があります。
具体的には、固定残業代に該当する賃金項目(例:残業手当、みなし残業手当)、それが残業代に相当する旨、その金額とそこに含まれる残業時間をきちんと記載しなければなりません(例:固定残業手当2万5千円〈残業20時間分〉)。
(2)最近の裁判の傾向
固定残業代を巡る最近の裁判では、実際の残業時間に基づいて計算した賃金が、固定残業代を上回る場合には、その不足分を追加支給する必要があるとしたうえで、追加支給されていない場合には、固定残業代そのものの有効性が否定される可能性があります。就業規則等の整備とともに、その運用状況を踏まえた総合的な判断が行われているようです。

○安倍内閣が推進する「新たな労働時間制度」の考え方
「日本再興戦略」改訂2014(平成26年6月24日)では、「時間ではなく成果で評価される働き方への改革」の中において、「時間ではなく成果で評価される働き方を希望する働き手のニーズに応えるため、一定の年収要件(例えば少なくとも年収1000万円以上)を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者を対象として、健康確保や仕事と生活の調和を図りつつ、労働時間の長さと賃金のリンクを切り離した『新たな労働時間制度』を創設することとし、労働政策審議会で検討し、結論を得た上で、次期通常国会を目途に所要の法的措置を講ずる」としています。
○「営業手当」という名目で支給していれば、固定残業代として主張することは、可能か?
「うちは、営業マンに、営業手当として、残業代込みで、払っているから」残業代の支払を免れるとする経営者もおられますが、最近の裁判例も踏まえて判断すると、書類の整備とその運用がしっかりしていなければ、無効になる可能性が高いといわざるを得ません。営業手当は、その名称から推測されるのは、営業の成果に対するインセンテイブとして期待される手当という意味合いが強く、固定残業代と主張するのは難しいでしょう。
○給与明細の整備と実際の運用についての考え方
裁判官によっても判決にばらつきはありますが、最高裁での補足意見では、「……支給時に支給対象の時間外労働の時間数と残業手当の額が労働者に明示されていなければならないであろう……」とされているため、給与明細等に、項目・金額・時間数の記載をしておかなければ固定残業代を時間外手当に代わる手当であるとすることは難しいでしょう。
[参考]アクティリンク事件(東京地裁判決/平成24年6月29日)、イーライフ事件(東京地裁判決/平成25年2月28日)

埼玉県最低賃金

埼玉県の最低賃金が公示されました。

発効日が平成26年10月1日
金額は1時間あたり802円とはじめて800円を超えました(前年785円)。
これは月給換算すると、週40時間労働で

802円×173.75時間=139,348円となります。

後述のように、最低賃金には皆勤手当、家族手当、通勤手当などは含まれませんから総額で14万円支給していても、基本給が13.9千円を超えていないと最低賃金に達していない可能性があります。

また、東京都の最低賃金は888(前年869)円です。同様に月額換算すると154,290円となります。飯能市は青梅市と隣接していることもありこれまでも介護施設などで人材獲得の競合が生じていましたが、基本給15万円を超えていないと求人も難しくなるかもしれません。

●最低賃金制度とは
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。
●最低賃金の種類
最低賃金には、地域別最低賃金及び特定最低賃金の2種類があります。
なお、地域別最低賃金及び特定最低賃金の両方が同時に適用される場合には、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
※最低賃金はその会社の本社のある都道府県で決められるのではなく、本社や支店の事業場がある都道府県ごとに決められることに注意が必要です。
●最低賃金の適用される労働者の範囲
地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用されます。特定最低賃金は、特定地域内の特定の産業の基幹的労働者とその使用者に対して適用されます。
●派遣労働者への適用
派遣労働者には、派遣先の最低賃金が適用されます。
●最低賃金の対象となる賃金
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。実際に支払われる賃金から一部の賃金(割増賃金、精皆勤手当、通勤手当、家族手当など)を除いたものが対象となります。
●最低賃金額以上かどうかを確認する方法
最低賃金額以上となっているかどうかは、賃金額を時間当たりの金額に換算し、最低賃金(時間額)と比較します。
●その他
最低賃金は「時間額」のみであるため、時間給、日給、月給制等全ての給与形態に「時間額」が適用されます。
最低賃金はパートタイマーやアルバイト等にも適用されます。

雇用促進税制

雇用促進税制とは、平成26年4月1日から平成28年3月31日までの期間内に開始する各事業年度(個人事業主の場合は、平成27年1月1日から平成28年12月31日までの各年。以下「適用年度」といいます。)において、雇用者増加数5人以上(中小企業は2人以上)、かつ、雇用増加割合10%以上等の要件を満たす企業は、適用年度における法人税の額(個人事業主の場合は、所得税の額)から雇用者増加数1人当たり40万円の控除が受けられる制度です。ただし、控除できる税額は、その適用年度における法人税の額(個人事業主の場合は、所得税の額)の10%(中小企業の場合は、20%)が限度となります。
この制度は以前からありましたが、上記のように税額控除の額を雇用増加数1人当たり20万円から40万円に増額されています。

また、平成25年度の税制改正により、所得拡大促進税制も導入されています。これは給与等支給額を増加させた企業に、一定の税額控除を認める制度です。この2つの税制は、いずれかの選択適用となっています。

所得拡大促進税制は、平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度において、給与等支給額を増加させた場合、その支給増加額について、10%の税額控除を認める制度です。具体的には、青色申告を行なう法人が、国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、3つの要件を満たすときは、その給与等支給増加額の10%の税額控除ができる、というものです。ただし、控除税額は、当期の法人税額の10%(中小企業者等については20%)が限度とされます。

(改正)・平成27年4月1日より前に開始する事業年度については2%
・同日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度については3%
・平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度については5%以上
と段階的に変更されました。
(改正)・現行制度では、日々雇い入れられる者のみを除いて計算していたところを、「継続雇用者に対する給与等の支給額」と、それに係る支給者数に限定して比較することに改正されました。

前述したとおり、所得拡大促進税制と雇用促進税制は選択適用となっており、いずれか1つしか適用することができません。いずれを適用するか不明な場合は、まずは雇用促進税制の雇用促進計画の提出を行います。雇用促進税制を適用するには、雇用促進計画を事業年度開始後2か月以内にハローワークに提出します。その上で、申告の際にどちらの制度が有利かを判断します。雇用促進計画の提出を行い、事業年度終了後に労働局に確認を申出したとしても、申告の際に所得拡大促進税制を選択することは可能です。
なお、雇用促進税制の適用を受けるためには、適用年度とその適用年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度に、「事業主都合による離職者」がいないことが要件の一つとされていますが、所得拡大促進税制にはこの要件はありません。

全体像  1389833246-1
要件  1389833246-2

休職中の有給休暇

在籍している限り継続勤務

「継続勤務とは出動ではなく在籍を要件としているので、労働組合の専従期間や育児休業期間も継続として取り扱わなければならない。」

「継続勤務」とは、一見、「連続した出動」を意味するものと解されがちですが、労働基準法第39条のいう継続勤務とは、労働契約の存続期間、すなわち事業場における在職期間を意味するものです。
休職中の継続勤務について解釈例規は、「休職とされていた者が復職した場合」は継続勤務に含まれることを明確にしています(昭63・3・14基発第150号)ので、私傷病、育児休業期間中なども(休職期間中の)継続勤務として取り扱うことになります。
例えば、入社直後に私傷病休業に該当したような場合、もちろん休職期間中は出動が免除されているわけですが、年休の計算にあってはこの休職期間を通算して8割出動をみます。入社直後に3か月以上欠勤した場合、雇い入れから6か月経過したときの出動率は8割に届きませんから、最初の付与時における付与日数は0ということになります。
ここで、注意しなければならないのは継続勤務の場合、付与日数も通算されるという点です。先ほどのケースで雇い入れ後6か月経過時点では年休は付与されませんが、6か月経過から1年6か月までの1年間に8割出動を満たしたとすると、1年6か月経過時点では付与日数は10日ではなく、11日となるわけです。つまり、8割出動にかかわらず(有給の付与にかかわらず)、2回目以降の付与は継続勤務1年につき1日の日数を加算した日数を付与しなければなりません。
ところで、継続勤務であるか否かについてよく問題となるケースに、定年退駿者を嘱託として再雇用した場合や臨時工を本工にした場合、また短期契約労働者の契約を更新して6か月以上使用した場合などがあります。これらは、いずれも形式的には従前の労働契約とその後の労働契約とは全然別個のものですから、継続勤務とみることはできないとも考えられますが、定年退職者の嘱託としての再雇用や臨時工の本採用などは、単なる企業内における身分の切り換えであって実質的には労働関係が継続していると認められるものですし、日雇いや短期契約者の契約更新も、実際に6か月間以上使用されている場合は、もはや契約更新は単なる形式的な意味にとどまり、実質的には労働関係が継続しているものと認められている場合が多いようです。解釈例規も、いずれの場合も継続勤務に含む(昭63・3・14基発第150号)としています。
また、「会社が解散し、従業員の待遇等を含め権利義務関係が新会社に包括承継された場合」や「全員を解雇し、所定の退職金を支給し、その後改めて一部を再採用したが、事業の実体は人員を縮小しただけで、従前とほとんど変わらず事業を継続している場合」についても、同様に継続勤務に含まれる(同前通達)とされています。

出勤率の算定
※出勤日数には、休日出勤した日は除き、遅刻・早退した日は含めます。なお、出勤率の算定に当たっては、次のイ及びロの取扱に注意が必要です。

イ 全労働日から除外される日数
(1)使用者の責に帰すべき事由によって休業した日
(2)正当なストライキその他の正当な争議行為により労務が全くなされなかった日
(3)休日労働させた日
(4)法定外の休日等で就業規則等で休日とされる日等であって労働させた日
ロ 出勤したものと取り扱う日数
(1)業務上の負傷・疾病等により療養のため休業した日
(2)産前産後の女性が労働基準法第65条の規定により休業した日
(3)育児・介護休業法に基づき育児休業または介護休業した日
(4)年次有給休暇を取得した日

役員報酬(定期同額給与)の支給額を改定する際の注意点

役員報酬(定期同額給与)の支給額を改定する際の注意点

会社の業績が変化すると、期中であっても、毎月支払う役員報酬の改定(増額・減額)を検討する可能性がありますが、改定の理由によっては、税務上、その一部が損金として認められない場合があるので注意しましよう。

損金算入ができる定期同額給与とは?
法人税法では、役貝報酬や役員賞与を「役員給与」と呼びますが、毎月、一定額を支給する役員報酬については、次の要件を満たせば、定期同額給与として般金算入が認められています(税務署長への届出は不要です)。

定期同額給与の要件
①支給時期が1か月以下の一定の期間ごとであること(実務上は月払いが一般的)
②その各支給時期における支給額が事業年度を通じて原則同額であること
※損金算入が認められる役員給与には他にも、事前に税務署に届け出ることで、月々の報酬とは別に所定の時期に確定額を支給する事前確定届出給与などもあります。

定時株主総会での役員報酬の改定
上記のように定期同額給与の要件は、月々の支給額が事業年度を通じて原則同額であることであり、事業年度の途中に増額や減額をすると、原則としてその一部が損金として認められません。ただし、決算終了後の定時株主総会など、毎年所定の時期に行われる改定(通常改定)で、次の要件を満たす場合は、定期同額給与とみなされ、全額を損金にすることができます。

通常改定で定期同額給与とみなされる要件
①期首から原則3か月以内(3月決算法人なら6月末まで)に行う改定であること
②事業年度内において、改定前の毎月の支給額が同額であること
③事業年度内において、改定後の毎月の支給額が同額であること
※株主総会での決議内容を記した議事録をきちんと保管しておきましょう。

例えば、役員報酬の支給日を毎月末とする3月決算法人が、5月25日開催の定時株主総会において、報酬額を60万円から70万円に増額する決議を行い、総会直後の5月31日または翌月の6月30日から支給する場合は、増額後の70万円全額が損金として認められます。

業績悪化を理由に役員報酬を減額する場合
業績や資金繰りが悪化したことで、事業年度の途中に、役員報酬(定期同額給与)の減額を検討することもあると思います。このような場合、減額の理由として、やむを得ず役員報酬を減額せざるを得ない事情があれば、減額後も全額が損金として認められます。

やむを得ず減額せざるを得ない事情とは?
①財務諸表の数値が相当程度悪化した
②倒産の危機に瀕している
③経営悪化により、第三者である利害関係者(株主、債権者、取引先等)との関係上、役員給与を減額しなければならなくなった
※一時的な資金繰りの都合、あるいは単に予算を達成できなかったといった理由は、やむを得ない事情には含まれません。

例えば、次のようなケースが考えられます。
●銀行との間で借入金の返済期限延長や条件緩和(リスケジュール)をするため、役員報酬を減額しなければならなくなった。
銀行との交渉時に作成した返済計画、資金繰り表などで減額の理由を明らかにしておきます。
●業績や財務状況、資金繰りが悪化したため、取引先等からの信用を維持・確保するために、役員報酬の減額を盛り込んだ経営改善計画を策定した。
減額する金額や期間、減額による効果など、取引先等が納得する経営改善計画であることが必要です。

次年度経営計画の中でよく検討する
以上のように、役員報酬(定期同額給与)は、事業年度の途中で改定すると、原則として一部が損金として認められませんので、次年度の経営計画の策定過程において、会計事務所ともよく相談して、役員報酬の設定についても慎重に検討しましょう。

税理士法人アスタクス事務所通信より

税務役員報酬(定期同額給与)の支給額を改定する際の注意点

役貝給与については、国税庁ホームページに掲載されている「役員給与に関するQ&A(平成20年12月)」(平成24年4月改訂)が参考になります。
1.役員給与の支給時期

一般社員が会社と雇用関係にあり、会社と労働契約(雇用契約)を結んでいるのに対して、役員は会社から経営を委任されるという関係にあり、受け取る役員報酬は「経営を委任する報酬」という位置づけになっています。役員に関しては、各支給時期に支給された月額報酬がその役員給与に係るその月分ということになりますので、株主総会等において特に支給時期まで定められている場合は別として、毎月末日に「未払役員給与」として処理されているのであれば、その日が支給時期とされ、その未払額がその月分の支給額であるということになり、また、支払日に役員給与としての経理処理が行われるのであれば、その支払日が支給時期となってその日支払われたものがその月分の役員給与とされることになります。(参考:衛藤政憲著『役員給与課税の重要点解説』(大蔵財務協会))

2.改定決議(5月25日)直後の支給分(5月31日)から増額しなくてもよいのか?
役員の職務執行期間は、一般に定時株主総会の開催日から翌年の定時株主総会の開催日までの期間であると解され、定時株主総会における定期同額給与の改定は、その定時株主総会の開催日から開始する新たな職務執行期間(翌職務執行期間)に係る定期間額給与を定めるものであると考えられます。
したがって、定時株主総会において5月25日から開始する翌職務執行期間に係る最初の給与の支給時期を、定時株主総会直後に到来する5月31日ではなく、その翌月の6月30日であるとする定めも一般的と考えられるため、6月30日から改定額を支給しても定期同額給与になります(国税庁「役員給与に関するQ&A」[Q2])。

3.役員給与の減額の際の注意
(1)経営上の数値的指標が著しく悪化した
役員給与の減額にあたり、会社経営上の数値的指標の著しい悪化が不可避と判断される客観的な状況としてどのような事情があったのか、経営改善策を講じなかった場合の指標を改善するために具体的にどのような計画を策定したのか、といったことを説明できるようにする必要があります。

(2)役員が病気等により職務の執行が一部できなくなった
役員が病気で入院したことにより当初予定されていた職務の執行が一部できなくなった場合に、役員給与の額を減額することは臨時改定事由による改定と認められます。また、従前と同様の職務の執行が可能となったことにより、取締役会の決議を経て入院前の給与と同額の給与を支給する改定についても、「役員の職務の内容の重大な変更その他これに類するやむを得をい事情」として臨時改定事由による改定と認められます。

(3)業績悪化による改定
例えば、次のようなケースが業績悪化改定事由に該当すると考えられますが、あくまでも客観的な状況によって判断します。客観的な状況がない単なる将来の見込みにより役員給与を減額した場合は該当しません。
①売上の大半を占める主要得意先の経営悪化により、その事業規模を縮小せざるを得ない状況にあることが判明し、数か月後には当社の売上が激減することが避けられない状況が生じた場合において、現状では売上などの数値的指標が悪化しているとは言えないが役員給与の滅額などの経営改善策を講じなければ客観的な状況から今後著しく悪化することが不可避である場合
②主力製品に瑕疵があることが判明して、今後多額の損害賠償金やリコール費用の支出が避けられない場合
[参考]国税庁「役員給与に関する Q&A(平成20年12月 )」(平成24年 4月改訂)