雇用調整助成金

休業手当の支払

店舗などの休業中の休業手当の支払方法として、
1)通常の給料(正社員など)
2)平均賃金の60%(あるいは60%超100%以下)
が考えられます。

労働基準法において平均賃金とは、
平均賃金を算定すべき事由の発生した日以前3ヶ月間に、その労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいいます。
※賃金締切日がある場合は、その起算日は直前の賃金締切日です。
※銭未満の端数が生じた場合、これを切捨てることは差し支えありません。
(昭和22年ll月5日基発第232号)

(例1)
賃金締切日:毎月20日
平均賃金算定事由発生日(休業を始めた日など):4月10日
3月分(2/21から3/20)賃金:基本給 20万円、通勤手当1万円
2月分(1/21から2/20)賃金:基本給 20万円、通勤手当1万円、残業手当2万円
1月分(12/21から1/20)賃金:基本給 20万円、通勤手当1万円、残業手当1万円
平均賃金=(21万円+23万円+22万円)÷ (29日+31日+31日)≒7,252円74銭

一賃金の一部又は全部が日給制、時間給制または出来高給制の場合は、平均賃金を算定すべき事由の発生した日以前3ヶ月間に、その労働者に対し支払われた当該賃金の総額を、その期間の労働日数で除した金額の60%が最低保障となります。※平均賃金の原則により計算した金額を最低保障が上回る場合は、最低保障金額が平均賃金となります。

(例2)
賃金締切日:毎月25日(日給8千円、通勤手当1日400円)
平均賃金算定事由発生日:2月5日
1月分 (12/26からl /25 労働日数15日)賃金:基本給 12万円、通勤手当6千円
12月分(11/26から12/25 労働日数5日)賃金:基本給 4万円、通勤手当2千円
11月分(10/26から11/25 労働日数15日)賃金:基本給 12万円、通勤手当6千円
①原則による計算:( 12万6千円+4万2千円+12万6千円)÷(31日+30日+ 31日) =3,195円65銭
②最低保障による計算:( 12万6千円+ 4万2千円+2万6千円)÷(15日+5日+15日)×0.6=5,040円①と②を比較すると②の方が高いので、この場合の平均賃金は 5,040円になります。

休業手当を支給した会社への支援である「雇用調整助成金」は平均賃金の100%以上を支払うとき最大の助成(8,330円が限度)が受けられますので、会社としてコストパフォーマンスを最大にするためには社員個々の平均賃金がいくらなのかを知る必要性があります。
(例1)の方が4月(卯月)の1月を全休した場合、通常の給料を払うとすれば3月(1-3月)の平均月額220,000円などを払うことになりますが、労働基準法はそこまで要求していません。

休業手当の計算
4月10日から4月30日までの間、15日の勤務予定があったにもかかわらす、その間に使用者側の都合による休業をさせた場合
休業手当=7,252円×0.6×15=65,268円
を他の4月分の賃金とともに賃金支払期日に支払わなければなりません。
上のように、少なくとも平均賃金の60%の支給を勤務すべき日分支払えば足るということです。

労働基準法上は会社都合による休業中はアルバイトに休業手当を支給しなければならず、今回の雇用調整助成金特例措置ではアルバイトに払った休業手当も助成の対象となります(アルバイトに支給することが助成金受給の絶対的要件ではありませんが)。
休業手当をアルバイトに払う際、支給率などを「休業協定」おいて決めておくことが重要になります。

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