業務案内

平成28年4月から健康保険の標準報酬月額等の上限を引上げ

改正1
4月から毎月の健康保険料の金額の元になる標準報酬月額の上限引上げ等の改正が行われます。この改正は、社長、役員など比較的給与の高い層に影響があります。 ※厚生年金保険の料率改定は9月に行われます。
改正前

等級標準報酬月額報酬月額
.........
47級121万円117.5万円以上

改正後

等級標準報酬月額報酬月額
.........
47級121万円117.5万円以上 123.5万円未満
48級127万円123.5万円以上129.5万円未満
49級133万円129.5万円以上1 35.5万円未満
50級139万円135.5万円以上

改正2
健康保険の標準賞与額の上限引上げ
賞与にかかる保険料の計算の元になる健康保険の標準賞与額についても、4月から上限額が573万円 (現行540万円)に引き上げられます。標準報酬月額と標準賞与額の引上げにより、現行の上限額 (47等級) の適用を受ける被保険者に対する会社および本人負担の保険料が高くなります。

改正3
傷病手当金の計算方法の変更
被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から報酬が受けられない場合に、健康保険から給付される傷病手当金について、その計算方法が改正されます。従来は、傷病手当金の計算は、休業時の標準報酬月額を元に計算されていましたが、改正により、直近12か月間の標準報酬月額の平均額によって計算されることになりました。

支給額の計算基礎

改正前直前の標準報酬月額
改正後直近12月間の標準報酬月額の平均

※直近の期間が12か月に満たない場合は、
・支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
・28万円(当該年度の前年度9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額)
を比べて少ない額を使用して計算します。

以上の改正は、受給直前の標準報酬月額を高くして、傷病手当金の給付額を増やす行為を防止するために行われます(出産手当金についても同様の計算方法に改正されます)。

中小企業労働環境向上助成金「個別中小企業助成コース」

労働環境向上のための措置を講じた中小企業事業主や事業協同組合等に対して助成するものであり、雇用管理の改善を推進し、魅力ある雇用創出を図ることを目的としています。本助成金は次の2つのコースに分けられます。

Ⅰ 雇用管理の改善を行う中小企業事業主に助成を行う「個別中小企業助成コース」

Ⅱ 労働環境向上事業を行う事業協同組合等に助成を行う「団体助成コース」

Ⅰ 個別中小企業助成コース

雇用管理制度(評価・処遇制度、研修体系制度、健康づくり制度)の導入等を行う健康・環境・農林漁業分野等の事業を営む中小企業事業主(以下「重点分野関連事業主」という)に対して助成するものであり、雇用管理改善を推進し、人材の定着・確保を図ることを目的としています。
このうち介護関連事業主の場合は、介護福祉機器の導入も助成対象となります。

この助成金(コース)は、下記の「対象となる事業主」に示す「重点分野関連事業主」または「介護関連事業主」が、それぞれ次の1または2の措置を実施した場合に受給することができます。
1重点分野関連事業主の場合
次の(1)から(3)のいずれかの措置をとること。

(1)
評価・処遇制度の導入

①評価・処遇制度、②昇進・昇格基準、③賃金体系制度(※1)、④諸手当制度(※1)(※2)のいずれかの制度を導入(※3)すること。

(2)
研修体系制度の導入

職務の遂行に必要な能力等を付与するため、カリキュラム内容、時間等を定めた職業訓練・研修制度(※4)を導入(※3)すること。

(3)
健康づくり制度の導入
①人間ドック、②生活習慣病予防検診、③腰痛健康診断、④メンタルヘルス相談のいずれかの制度(※5)を導入(※3)すること。

1賃金体系制度と諸手当制度については、制度導入後の賃金総額が低下していないことが必要です。


2 諸手当制度については、次のいずれかに該当する制度であることが必要です(①通勤手当、②住居手当、③転居手当(異動手当)、④家族手当、⑤役職手当(管理職手当)、⑥資格手当、⑦退職金制度、⑧その他通常の労働者の評価・処遇制度に係る諸手当制度として適当であると認められるもの)。


3 制度の導入においては、就業規則または労働協約に上記の制度を新たに定め、実際にその制度を正規の労働者1名以上に適用させることが必要です。


4 生産ラインまたは就労の場における通常の生産活動と区別して業務の遂行の過程外で行われる、1人あたり10時間以上の教育訓練等です。受講料や交通費等の諸経費を要する場合は、全額事業主負担の制度であることが必要です。


5健康診断等により費用を要する場合は、半額以上事業主が負担する制度であることが必要です。
2 介護関連事業主の場合次の(1)から(4)のいずれかの措置をとること
(1)
評価・処遇制度の導入(上記1(1)と同じ)

(2)
研修体系制度の導入(上記1(2)と同じ)

(3)
健康づくり制度の導入(上記1(3)と同じ)

(4)
介護福祉機器の導入等
介護労働者の労働環境の改善に資する次のアの①.⑧のいずれかの介護福祉機器を、その介護労働者の職場に導入するとともに、導入後にその機器の適切な運用を行うための次のイの①から④の措置をとること

ア対象となる介護福祉機器
① 移動用リフト(立位補助機を含む。移動用リフトと同時に購入したスリングシートを含む)

② 自動車用車いすリフト(福祉車両の場合は、本体部分を除いたリフト部分のみ)

③ 座面昇降機能付車いす

④ 特殊浴槽(リフトと一体化しているものや取り付け可能なもの、側面が開閉可能なもの等)

⑤ ストレッチャー(入浴用に使用するものを含む)

⑥ 自動排せつ処理機

⑦ 昇降装置(人の移動に使用するものに限る)

⑧車いす体重計

イ導入後の措置
① 導入機器の使用を徹底させるための研修

② 導入機器のメンテナンス

③ 介護技術に関する身体的負担軽減を図るための研修

④ 導入効果(※6)の把握
※6 導入効果は、①身体的負担が大きいと感じている職員数の改善率、②身体的負担軽減に資する作業方法が徹底された職員数の改善率で評価します。①が60%以上であった場合には機器の導入関係費用、②が60%以上であった場合には介護技術研修関係費用について支給決定を行います。

本助成金(コース)を受給する事業主は次の1と2の両方の要件を満たすことが必要です。

1「各雇用関係助成金に共通の要件等」のAの要件に該当するとともに、Bの要件に該当していないこと

そのうち特に次の点に留意してください。

(1)上記「対象となる措置」の各措置の実施状況及び支払い状況等を明らかにする書類を整備・保管し労働局等から提出を求められた場合にそれに応じること

2次の(1)または(2)のいずれかに該当する事業主

(1)「重点分野関連事業主」次の①から③のすべてに該当する事業主であること

① 健康・環境・農林漁業の分野等の事業(別表1)を営む中小企業事業主であること

② 雇用管理に取り組み、労働者からの相談に応じる「雇用管理責任者」を選任し、その旨を周知していること

③ 計画の初日の前日から起算して6か月前の日から支給申請書の提出日までの期間において、事業主都合で解雇(勧奨等退職を含む)をしていない事業主であること
【別表1】助成金の対象となる健康・環境・農林漁業等分野(重点分野等)(注:英数字は「日本標準産業分類」における分類記号)A-農業・林業、B-漁業、D-建設業(うち健康・環境・農林漁業分野に関する建築物を建築しているもの)、E-製造業(うち健康・環境・農林漁業分野に関する製品を製造しているもの、またはこの分野に関する事業を行う事業所と取引関係にあるもの)、F33-電気業、G-情報通信業、H.運輸業・郵便業、L71-学術・開発研究機関(うち健康・環境・農林漁業分野に関する技術開発を行っているもの)、N804-スポーツ施設提供業、O8246-スポーツ・健康教授業、P-医療・福祉、R88-廃棄物処理業

(2)「介護関連事業主」
上記(1)に該当する事業主のうち、別表2の介護サービスの提供を業として行う事業主であること(他の事業と兼業していても差し支えない)
【別表2】助成金の対象となる介護サービス
【介護保険法関連】
・訪問介護・訪問入浴介護
・訪問看護、老人訪問看護(高齢者の医療の確保に関する法律関連)
・訪問リハビリテーション ・居宅療養管理指導
・通所介護 ・通所リハビリテーション
・短期入所生活介護 ・短期入所療養介護
・特定施設入居者生活介護 ・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・夜間対応型訪問介護 ・認知症対応型通所介護
・小規模多機能型居宅介護 ・認知症対応型共同生活介護
・地域密着型特定施設入居者生活介護 ・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
・複合型サービス ・居宅介護支援
・介護福祉施設サービス ・介護保健施設サービス
・介護予防訪問介護 ・介護予防訪問入浴介護
・介護予防訪問看護 ・介護予防訪問リハビリテーション
・介護予防居宅療養管理指導 ・介護予防通所介護
・介護予防通所リハビリテーション ・介護予防短期入所生活介護
・介護予防短期入所療養介護 ・介護予防特定施設入居者生活介護
・介護予防認知症対応型通所介護 ・介護予防小規模多機能型居宅介護
・介護予防認知症対応型共同生活介護 ・介護予防支援
【障害者総合支援法関連】
・障害福祉サービス等
【児童福祉法関連】
・地域活動支援センター、障害児入所施設、児童発達支援センターで行われる介護サービス
【その他】・移送・要介護者への食事の提供(配食)
・その他の福祉サービス又は保険医療サービス

この助成金(コース)は、導入した制度等に応じて、下の額が支給されます。

1重点分野関連事業主
導入した制度等 支給額
評価・処遇制度 40万円
研修体系制度 30万円
健康づくり制度 30万円

2 介護関連事業主
導入した制度等 支給額
評価・処遇制度 40万円
研修体系制度 30万円
健康づくり制度 30万円
介護福祉機器等 導入に要した費用の1/2(上限300万円)( ※7)

※7 介護福祉機器の導入等に要した費用であって、支給申請時までに支払いを完了していることが必要です。また、次の額を含めることができます。
(1)
利子(費用を分割して支払う場合に限る。)

(2)
保守契約を締結した場合は、その費用の額

(3)
介護福祉機器の使用を徹底するための研修に要した費用の額

(4)
介護技術に関する身体的負担軽減を図るための研修に要した費用の額

本助成金(コース)を受給しようとする事業主は、次の1.2の順に受給手続をしてください。1計画の認定申請雇用管理制度または介護福祉機器等の導入に係る計画を作成し、必要な書類を添えて(※8)、計画開始6か月前から1か月前までに管轄の労働局(※9)へ認定申請をしてください。2支給申請
1によって認定を受けた後、計画に基づいて雇用管理制度または介護福祉機器等の導入を実施し、計画期間終了後2か月以内に、支給申請書に必要な書類を添えて(※8)、管轄の労働局(※9)に支給申請を行ってください。

8申請書等の用紙やこれに添付すべき書類については、労働局へお問い合わせ下さい。


9申請書等の提出は、ハローワークを経由して行うことができる場合があります。

時間外・休日労働に関する協定書

協定する事項

「時間外または休日の労働をさせる必要のある具体的事由」
業務の種類別に具体的事由を記入します。
例:「機械設備などの修繕、備え付け、メンテナンス」「臨時の受注、納期変更」「月末の決算事務」「顧客からの緊急の要請」「受注・請求・集金・営業等の繁忙」「江綿の人手不足に対処」など。
特別条項付きの労使協定を労働基準監督署に届出るときは、36協定の所定様式の該当欄にその概要を( )書きするか、所定欄に「別紙のとおり」と記載し、概要(時間、期間、回数など)を書いた別紙を添付します。
「業務の種類」
時間外労働または休日労働をさせる必要な業務を具体的に記入します。「製造業務」「総務」など漠然としたものでなく、細分化して記入します。
例:「経理事務」「人事」「営業」「機会組立」「製品管理」「外勤販売」など
事業場外労働の対象業務については、他の業務と区別して記入し、労働基準法第36条ただし書き*の健康上特に有害な業務について協定した場合には、その業務を他の業務と区別して記入します。

*労働基準法施行規則
第十八条  法第三十六条第一項 ただし書の規定による労働時間の延長が二時間を超えてはならない業務は、次のものとする。
一  多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
二  多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
三  ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
四  土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
五  異常気圧下における業務
六  削岩機、鋲打機等の使用によつて身体に著しい振動を与える業務
七  重量物の取扱い等重激なる業務
八  ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
九  鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン、その他これに準ずる有害物の粉じん、蒸気又はガスを発散する場所における業務
十  前各号のほか、厚生労働大臣の指定する業務

医療機関で36協定を締結する場合は、「三  ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務」すなわち放射線技師の業務と人数を別に記載しなければならない場合もありそうです。

 

専門業務型裁量労働制

業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務として厚生労働省令及び厚生労働大臣告示によって定められた業務の中から、対象となる業務を労使で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度です。

○専門業務型裁量労働制の対象業務は?
「専門業務型裁量労働制」は、下記の19業務に限り、事業場の過半数労働組合又は過半数代表者との労使協定を締結することにより導入することができます。

専門業務型裁量労働制の対象業務
(1)新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
(2)情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であつてプログラムの設計の基本となるものをいう。(7)において同じ。)の分析又は設計の業務
(3)新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又は放送法(昭和25年法律第132号)第2条第4号に規定する放送番組若しくは有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律(昭和26年法律第135号)第2条に規定する有線ラジオ放送若しくは有線テレビジョン放送法(昭和47年法律第114号)第2条第1項に規定する有線テレビジョン放送の放送番組(以下「放送番組」と総称する。)の制作のための取材若しくは編集の業務
(4)衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
(5)放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
(6)広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係る文章の案の考案の業務(いわゆるコピーライターの業務)
(7)事業運営において情報処理システムを活用するための問題点の把握又はそれを活用するための方法に関する考案若しくは助言の業務(いわゆるシステムコンサルタントの業務)
(8)建築物内における照明器具、家具等の配置に関する考案、表現又は助言の業務(いわゆるインテリアコーディネーターの業務)
(9)ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
(10)有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務(いわゆる証券アナリストの業務
(11)金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
(12)学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する大学における教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る。)
(13)公認会計士の業務
(14)弁護士の業務
(15)建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)の業務
(16)不動産鑑定士の業務
(17)弁理士の業務
(18)税理士の業務
(19)中小企業診断士の業務

○制度導入のための手続は?
制度の導入に当たっては、原則として次の事項を労使協定により定めた上で、様式第13号により、所轄労働基準監督署長に届け出ることが必要です。

制度の導入に当たっては、原則として次の事項を労使協定により定めます
(1)制度の対象とする業務
(2)対象となる業務遂行の手段や方法、時間配分等に関し労働者に具体的な指示をしないこと
(3)労働時間としてみなす時間
(4)対象となる労働者の労働時間の状況に応じて実施する健康・福祉を確保するための措置の具体的内容
(5)対象となる労働者からの苦情の処理のため実施する措置の具体的内容
(6)協定の有効期間(※3年以内とすることが望ましい。)
(7)(4)及び(5)に関し労働者ごとに講じた措置の記録を協定の有効期間及びその期間満了後3年間保存すること

(1)時間外労働
みなし労働時聞が法定労働時間(1日8時間・1 週間40時聞が原則)を超える場合には時間外労働になりますので、使用者は労働基準法第36条第1項の協定(時間外労働協定)を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出た上で、法定労働時間を超えた部分の時間に対しては、同法第37条第1項により2割5分増以上の割増賃金を支払わなければなりません。
(2) 休日労働
みなし労働時間制が適用になる場合でも、労働基準法第35条の休日(法定休日)の規定は適用されますので、使用者は同法第36条第1項の協定(休日労働協定)を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出た上で、対象労働者が法定休日(毎週1 回又は4週4 日の休日)に労働した場合には同法第37条第1項により、その日の労働に応じた3割5分増以上の割増賃金を支払わなければなりません。
(3) 深夜業
みなし労働時間制の対象労働者が午後10時から午前5時までの深夜に労働した場合にも、労働基準法第37条第3項が適用されますので、現実にこの時間帯に労働した時間に応じた2割5分増以上の割増賃金を支払わなければなりません。
(4) 休憩時間
使用者は労働基準法第34条の規定により、みなし労働時間が6時間を超え8時間までであれば45分以上、8時間を超える場合には1 時間以上の休憩時間を与えなければなりません。
ただし、対象労働者に所定の休憩時間を指示することは労働時間の配分についての指示となりますので、可能な限り所定の休憩時間を与え、取得できなければ別の時間帯に取得させる必要があります。

厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書

1.手続内容

(1)3歳未満の子を養育する被保険者または被保険者であった者で、養育期間中の各月の標準報酬月額が、養育開始月の前月の標準報酬月額を下回る場合、被保険者が「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」を事業主へ提出し、事業主が当該申出書を日本年金機構へ提出します。

なお、申出日よりも前の期間については、申出日の前月までの2年間についてみなし措置が認められます。

(2)従前の標準報酬月額とは養育開始月の前月の標準報酬月額を指しますが、養育開始月の前月に厚生年金保険の被保険者でない場合には、その月前1年以内の直近の被保険者であった月の標準報酬月額が従前の報酬月額とみなされます。その月前1年以内に被保険者期間がない場合は、みなし措置は受けられません。

対象となる期間は、3歳未満の子の養育開始月から3歳到達日の翌日の月の前月まで等です。

2.被保険者が手続する時期・場所及び提出方法

被保険者は、厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書を事業主へ提出します。提出を受けた事業主が当該申出書を日本年金機構へ提出します。

区分

内容

提出時期

3歳未満の子を養育し始めたとき

提出先

事業所の事務担当者(事業主)

提出方法

事業所の事務担当者等に指定された方法

3.提出書類・添付書類等

届書等名称

記入例

厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書(PDF)

厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書

添付書類

 1.戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書
(申出者と子の身分関係および子の生年月日を証明できるもの)

2.住民票(コピー不可)※(申出者と子が同居していることを確認できるもの)
※提出日から遡って90日以内に発行されたものをご提出ください。
※養育特例の要件に該当した日に同居が確認できるものをご提出ください。
(例)育児休業終了の場合は、育児休業終了年月日の翌日の属する月の初日以後に発行された住民票が必要になります。

4.留意事項

(1)この申出書は、特例措置の適用を受けようとする期間において勤務していた事業所等が複数ある場合、それぞれの事業所の被保険者期間ごとに提出してください。

(2)申出に基づく特例措置が終了した後、再度当該申出に係る子について特例措置の適用を受ける場合には、改めて申出書を提出してください。この場合、戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書の添付は不要です。

特許、発明、考案等の取扱い

会社における「発明・考案」に関心が高まり就業規則でも以下のように記述されることがあります。
(特許、発明、考案等の取扱い)
第○○条 社員が会社における自己の現在または過去における職務に関連して発明、考案をした場合で会社の要求があれば、特許法、実用新案法、意匠法等により特許、登録を受ける権利またはその他の権利は、発明者および会社が協議のうえ定めた額を会社が発明者である社員に支払うことにより、会社に譲渡または継承されるものとする。

職務発明とは、「従業者等」(会社の従業員など)が職務上行った発明のことであり、「使用者等」(会社など)は職務発明を発明者である従業員から承継することを勤務規定などによってあらかじめ定めておくことができる(特許法35条2項の反対解釈)。会社が従業員から職務発明を承継した場合、会社は相当の対価を従業者に支払わなければならない(特許法35条3項)。この規定に基づいて会社に対して200億円の支払いを命じる判決がでたこともあり(東京地裁平成16年1月30日判決「青色発光ダイオード事件」、その後高裁で和解)、社会的にも職務発明が注目されるようになった。(Wikipedia)
このように「職務発明」にかんしては就業規則に予約継承を定めることはできます(ただし、相当な対価の支払いが必要)。

では職務著作については
(著作権の帰属)
第○○条 会社の発意に基づき、社員が職務上作成し、会社名義の下に公表(プログラムを除く。*)した著作物およびプログラム著作物は、職務著作としてその権利は会社に帰属するものとする。
などとします。

【職務著作の要件】
1.法人等の発意に基づき創作された著作物であること
2.その法人等の業務に従事する者が創作した著作物であること
3.その法人等の職務上創作した著作物であること
4.その法人等の著作名義で公表された著作物であること(例えば、「この作品の著作権は、○○株式会社に帰属します」などのような表示を行うことが必要)
5.その法人等内部の契約や就業規則等に別段の規定がないこと
(著作権法上の「法人」には、法人格を有するものの他に、法人格を有しない社団又は財団で 代表者や管理人の定めのあるものを含みます。(著作権法第2条6項))

*なお、「プログラムの著作物」に関しては、4.の要件を満たさなくとも他の4つの要件を満たしていれば、職務著作となります。(著作権法第15条2項)

 

 

障がいをお持ちの方・長期加入者の方の定額部分支給開始年齢の特例

障がいをお持ちの方・長期加入者の方の定額部分支給開始年齢の特例について(経過措置対象となる方に限ります)

次のいずれかに該当する場合は、特例として、報酬比例部分と定額部分を合わせた特別支給の老齢厚生年金が支給されます。
• 障がいの状態(障がい厚生年金の1級から3級に該当する障がいの程度)になったとき(被保険者資格を喪失(退職)しているときに限ります)
特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受けている方(厚生年金保険の被保険者ではない方に限ります)が定額部分の支給開始年齢到達(昭和24年4月2日以後生まれの男性については、65歳到達)前に障がいの状態(厚生年金保険法の障がい等級3級以上)になった場合、障がい者特例の適用を受けることができ、受給者の請求により翌月分から報酬比例部分に加えて定額部分も支払われます。なお、障がい年金を受給中の方の請求は、特例の適用を受けられる状態になった時点にさかのぼって請求したものとみなされ、その翌月分以降、報酬比例に加えて定額部分が支払われます。(ただし、平成26年4月より前にはさかのぼりません)
※「年金請求書」とは別に「障がい者特例請求」の手続きを行う必要があります。
【受給要件】
1.昭和36年4月1日以前生まれの男性、または昭和41年4月1日以前生まれの女性
2.過去に12ヶ月以上厚生年金に加入
3.現在は厚生年金に加入していない
4.年金保険料の納付月数と免除月数の合算月数が300ヶ月(25年)以上有り
5.障害等級3級以上に該当
6.障害者特例の老齢厚生年金を請求

「60歳で会社を定年退職後、62歳で障がい等級3級に該当。60歳から比例報酬部分だけは受給していたが、障がい者特例支給制度を知らずに64歳からの定額部分の支給を待っていた。」といったようなケースの場合、申請手続きが遅れると、遡及の支払も無いため、遅れた期間の定額部分の年金が受給出来なくなってしまいます。

• 長期加入者の方(厚生年金保険の被保険者期間が44年以上の方で被保険者資格を喪失(退職)しているときに限ります)
該当したときに被保険者である場合は、退職した月の翌月(退職が月末の場合は、退職した月の翌々月)から年金額が改定され、報酬比例に加えて定額部分が支払われます。

DV被害者の遺族厚生年金

2001年に配偶者暴力防止・被害者保護法(DV防止法)が施行され、家庭内暴力は犯罪行為と認められました。

DV被害を受けた妻が暴力から逃れるため別居したような場合、住所も告げずに、夫に生活費を支払うように求めることも、親族との連絡さえも絶って夫の陰におびえながら暮らしていく、というような状況がほとんどではないでしょうか。
では、その夫(厚生年金被保険者または被保険者であった)が亡くなった場合、やっと今まで籍も抜かず堪え忍んでいた妻に遺族厚生年金が支給されるかというと、そう簡単ではありません。
なぜならば、遺族厚生年金の受給できる遺族とは、死亡した人によって生計を維持されていた配偶者(など)とされており、生活援助を受けていた、音信を取り合っていたなどの事実確認が求められます。
通常、遺族厚生年金を請求するときには戸籍謄本、住民票、妻の所得証明などをもって生計維持が確認され、住民票の記載に夫と妻がいっしょに載っていれば毎月どのくらいの生活費を渡していたかなどと詮索されることもありません。
しかし、妻に定期的に仕送りしていたり、お互いに連絡を取り合っていたらそれは別居していなくてもいいんじゃない?ということになるわけで、暴力から逃れるために社会から隔絶された最低限の経済生活を営まざるを得なかった妻に、自立して生活していたんじゃないかという判断はあまりにも酷ではないでしょうか。

遺族年金の不支給処分取り消しにかんしては以下のような判決もありました。
「厚生年金保険法が遺族年金支給の要件とした「死亡時に被保険者(夫)によって生計を維持した者」に女性があたるかどうかが争点だった。女性は夫の死後、いったん年金支給が決まったが、岡山西社会保険事務所は2007年、「夫による生計維持が認められない」と支給を取り消していた。
判決理由で近下裁判長は、別居の原因が主に夫の暴力にあると認定。別居後の2000年、岡山家裁が夫に月3万円の生活費支払いを命じたが、夫は支払わないまま04年に死亡したことに触れ、「夫の生活費支払い拒絶が著しく不当な場合、生活費を払っていなくても支給を認めるのが相当」と判断し、不支給処分を違法とした。」
(2008年11月18日 東京新聞)

今回、私が提出したDV被害者の遺族厚生年金請求では、夫がガンを発症し、入院後近況や症状を訴えるハガキを妻に出していたこと、入院費用や水道光熱費、保険料などの支払いを長男に任していたこと、長女を通じて生活費をある程度渡していたこと、それをメモしていたことなどの事実を添えて「生計同一関係」にあるとみなされ受理に至りました。もちろん審査が終了して年金証書が送られてくるまでは安心出来ませんが。

結局、DV被害者であるかどうか、またはその被害程度によって遺族厚生年金の受給が決まることはないといえそうです(事実、年金事務所でDVの実態について聴取されることはありませんでした)。
それが法律の規定だといわれればそれまでなのですが、「配偶者の暴力により配偶者と住居が異なる方であって、国民年金保険料の納付が経済的に困難な場合、納付が免除になります」という措置を3号被保険者の資格延長ととらえれば、「婦人相談所および配偶者暴力相談支援センター等の公的機関が発行する証明書をもって」「夫の生活費支払い拒絶が著しく不当な場合」とみなし、「生活費を払っていなくても支給を認めるのが相当」という大岡裁きは望むべくもないことなのでしょうか。

配偶者からの暴力を受けた方の国民年金保険料の特例免除

配偶者の暴力により配偶者と住居が異なる方であって、国民年金保険料の納付が経済的に困難な場合、納付が免除になります。

DV被害者が保険料の免除を受けるには?
◆本人(DV被害者)の申請が必要です。
◆配偶者の所得にかかわらず、本人の前年所得が一定以下であれば、保険 料の全額または一部が免除になります。
注:世帯主は、所得審査の対象となる場合があります。

申請手続き
◆平成26年4月より、申請時点の2年1ヵ月前まで免除を申請できるようになりました。過去2年間に国民年金保険料の未納期間がある方は、年金事務所にご相談ください。
◆免除となる期間は、毎年7月から翌年6月までです。
◆申請および住居に関する申出は毎年必要です。
◆初回申請の際、婦人相談所および配偶者暴力相談支援センター等の公的機関が発行する証明書(配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書)の添付が必要です。

免除に該当する所得のめやす
◆本人の前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内の場合は、保険料の全額または一部が免除になります(所得審査の対象が本人のみの場合)。

免除の種類免除に該当する所得の計算式一部納付額(平成 26 年度)
全額免除(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
4分の3免除78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除118万円ditto
4分の1免除158万円ditto

年金の負担と給付

年金の負担と給付
老齢年金は「老い」という保険事故を補填する「保険」商品です。
老化という避けられない事故、反対にいえば誰にもやってくる老いだからこそ貰って当たり前と考えてしまうのでしょうが、確かに払った保険料と給付がバランスする「損益分岐点」は存在し、この先何十年も保険料を支払うのであれば気になるところであることに間違いはありません。

国民年金の場合
15,250円→1か月の保険料(平成26年度)—①
1,610円=(772,800円→平成26年4月分からの年金額(満額)÷480)—②
①÷②≒9.4年

65歳で基礎年金を受給し始めておおよそ9年半で負担と給付のバランスがとれるということになります。ここで考慮しなければならないのは、給付に使われる「国庫負担」です。以下日本年金機構のWebサイトより。

「国庫負担(基礎年金の国庫負担を2分の1へ引き上げ)
平成16年(2004年)の法律改正では、全国民に共通する基礎年金について、これまで3分の1であった国庫負担割合を、現役世代の保険料負担が過重にならないように配慮しながら、年金給付水準を適正に保つために平成21年度までに基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げることを定めました。
平成16年度からその引き上げに着手し、平成21年度から国庫負担割合は、2分の1になりました。」

自分の意志にかかわらず、支払われる年金の半分には税金が投入され、年金の受給資格がない人には、その恩恵を受け取ることができない、ということになります。

厚生年金の場合
本人+専業主婦である妻で毎月の給与28万円(平成26年度の健康保険の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限)とします。

48,927円→1か月の保険料(本人+会社負担)—③
増える年金額
3,220円→基礎年金の部分②より1,610円×2(本人+妻)—④
報酬比例の部分
1,534円→平均標準報酬額×0.5481%×支払月数—⑤
⑤+⑥=4,754—⑦
∴③÷⑦≒10.29年

単身者
増える年金額は妻帯者の場合から3号被保険者分を引いた金額なので
⑦-1,610=3,144—⑧
∴③÷⑧≒15.56年

単純化のために、男性が被保険者で3号被保険者は「妻」、保険料率、所得代替率等現時点での数字を使用しています。
法定福利費も会社では「人件費」としている以上、会社負担分も給与に組み込まれているとして計算していますが、本人負担分だけで収支を考えれば収支がバランスする期間は半分になるわけですから、これほどお得な金融商品はありません。また、②の定数があることで所得の再分配的効果もあり、平均標準報酬額の多寡あるいは第3号被保険者の有無で「損益分岐点」が変化します。