バイーア

あと数時間で日本-コート・ジヴォワール戦です。

この試合が行われるのがRecife、報道などでは「レシフェ」と読んでいますが、ポルトガル語では単語の頭にRが来る場合、ハヒフヘホの発音になるという原則からすると、ヘスィーフィ。ついでにリオ・デジャネイロはヒオ・ジ・ジャネイロ。

このヘスィーフィ、ペルナンブーコ州の州都でもあり、ブラジル北東部ではサルヴァドールの次に大きい都市だそうです。この「ブラジル北東部」が今回のキーワードで、ブラジル語で北東部、ノルデスチ、英語で言えばノース・イースト、日本でいう「東北」が持つイメージとは違って南半球では反対になるから、より赤道に接近し高温多湿の熱帯雨林が拡がるということになります。

で、このノルデスチが育んだ音楽がブラジル音楽の大きな2本柱の一つを担う存在で、もう一本はいうまでもなくリオの「サンバ」、実際多くのタレントを輩出してきました。ヘスィーフィがあるペルナンブーコ州など7つの小さな州をまとめて「北東部」と称し、そのすぐ南側に接しているのがバイーア州で写真のアルバムタイトル”A Musica do  Nordeste e Bahia”とは、まさにこの「北東部とバイーア」の音楽という意味です。

地図で見ればわかるように、ヘスィーフィやサルヴァドールは大西洋に面して、古くからポルトガルとの交易の中心地と栄え、大西洋を挟んでアフリカ西岸に位置するということで過去には奴隷貿易の中継地としても多くのアフリカからの奴隷が運び込まれた悲しい歴史もありました。これはアメリカでいえばニュー・オーリンズにあたるわけで、そういえば今回W杯に11人を輩出したリバプールの本拠地もイギリスにおける奴隷貿易を担った都市でした、アフリカから連れてこられた黒人たちが港町からさらに奥地へと拡散され、それぞれの独自のアフロ文化を形成していく、まさにブルーズからJazzへと発展していった同じ過程がブラジルでも生じたといえるようです。

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収録アーティストは、ドリヴァル・カイーミをはじめ、ジョアン・ジルベルト、エドゥ・ローボ、マリア・ベターニア、ガル・コスタ、ジルベルト・ジルそして今世紀最高の音楽家カエターノ・ヴェローゾなど、「ブラジル音楽全集」という3枚組LPの3セットシリーズとして発売、3組全部揃えることは出来なかったのですが、悩みに悩んで2セットに絞り購入したのを覚えています。

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Googl地図

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