ビックス・バイダーベック

サッチモが最初ののピークを迎えた頃、シカゴでサッチモたちとは一線を画した「白人のジャズ」を確立させたのがビックス・バイダーベックでした。
彼の音楽をノスタルジックなレガシーととらえる向きがありますが、村上春樹はビックス・バイダーベックのことを『ポートレイト・イン・ジャズ』で「ビックスの音楽の素晴らしさは、同時代性にあ」り、「懐古趣味とは無縁なものだ。」と言っています。
盤おこしのスクラッチ・ノイズの向こうから聞こえてくる彼のコルネットには、マイルス・デイビスにも直結していくクール・スタイルの芽生えを感じます。
ロックファンにもビックスの名前を思い出させたのはライ・クーダーで、1978年のアルバム「Jazz」のB面の冒頭3曲がビックスの曲でした。ここでは、フランキー・トランバウアーのCメロディー・サックスの音色をうまくクラリネットとアルト・サックスで置き換えています。ただし、彼はこのアルバムを失敗作としているようですが。
さらにビックス・バイダーベックのクールネスを現代に再現して見せたのがジェフ・マルダーでした。マリア・マルダーのかつてのパートナーとして、ポール・バターフィールドとのベター・デイズでの活躍、さらにはエイモス・ギャレットとのコラボでも有名ですが、この「個人的天文学」というアルバムではニューヨークのジャズとクラシック演奏家とともにビックス・バイダーベックを現代に蘇らせることに成功しています。

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