1928年

ジャズの世界では○○年のだれそれ、というようにミュージシャンを活動期間を区切って捉えることがあります。これは、ジャズの場合、セッションが中心で一定のメンバーで活動する期間が短いということもありますが、このように称されるミュージシャンは、それぞれの時代にピークを持つ長い活動期間があって初めて○○年というメモリアルなある1年が特定されるわけで、それだけ大物が多いということになります。

ブラントン=ウェブスター・バンドで有名な1940年のデューク・エリントン、最初の「カインド・オブ・ブルー」参加メンバーによるスタジオセッションとなる1958年のマイルス・デイビスなどと並んで今から86年!前の1928年、ルイ・アームストロングはその輝ける音楽人生の最初のピークを迎えました。サッチモはその年の6月までには、彼自身と彼のアンサンブルを彼らが作ったほぼすべてのレコードを集団的天才の研究の場とした点において洗練の極みに達していました。ホットファイブの成熟度を示すものとしてズティ・シングルトンのシンバル・ワークとアール・ハインズのモダンなシングル・トーンを用いたピアノが評判を得ていました。ジャズをダンスや行進のためだけでなく、鑑賞に足るものとしてアームストロングの年表のこの部分には、記録上彼の最大の瞬間のいくつかが詰まっています。

そのアームストロングをカバーしたのがニューオーリンズの怪人、ドクター・ジョンの新作です。
同じニューオーリンズ出身というつながりでのサッチモカバーとはいうものの、なんでもドクターの枕元にサッチモが現れたとか、ホットファイブの再現性という意味ではイマイチかもしれませんが、そこは気にせずドクターの新譜として単純に楽しめばいいのかな、と。

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